女性ユーザーは難しい
MAZDAのちょっとした誤算があったのかもしれない。女性人気が弱いとの分析はずっと前からあったようで、今回のMCの前から、女性ユーザーを意識した上質なグレード「サンセット・シトラス」を用意していた。女性はクルマにこだわりを持っている!!それどころか、むしろ男性ユーザー以上に見る目は厳しいだろう。だから特別グレードが必要で、MAZDAのクオリティがあれば有利に闘えるはず・・・だったが。
女性ユーザーのさらに難しいところは、「どんなクルマだって乗りこなせてしまう」ところだ。男性ユーザーは、少なからず車格を気にして、BMWなら5シリーズ、レクサスならRXといった具合に、ある程度の上位グレードに指名買いが集中するが、これが女性ユーザーだと1シリーズもUXも気兼ねなく選べてしまう。しかもMAZDA2(デミオ)XDがデビューした2014年以降は輸入ブランドは低調で200万円台前半でメルセデスAクラスやBMW1シリーズの新古車が投げ売り状態だった。プレミアムブランドのCセグが価格的にライバルになるのは辛い・・・。
かなり無理な条件が揃っている
MAZDAの幹部(藤原さん)もインタビューで語っていたが、先代のデミオはリーマンショックで追い詰められたMAZDAの販社が「大特価98万円」と書かれたDMを撒き散らしてきた。それが現行モデルでは乗り出し200万円超えるのだから、ユーザーの認識の変化がちょっと追いついていかない。当初からブランド作りは長期戦と見込んでいたようだけれども、デビューから8年が経過したMAZDA2・XDは十分にユーザーに価値をアピールできたのだろうか。
MAZDA2の最軽量モデルだけあって、本気を出せばいくらでも飛び道具を使うことができた。同じシャシーを使うフォードフィエスタには1.6Lターボ(182ps)搭載のモデルが欧州では販売されていた。現在でも日本市場でポロGTIやMINIクーパーSがこれくらいのスペックである。MAZDAのエンジンだと2.5L自然吸気か、2.0LスカイXくらいに相当する。