上質を追求するタームは終わった!?
いつもながら断定的な書き方で恐縮だけども、クルマに上質さを求めるのであれば、アルファロメオやMAZDAのようなこだわりのメーカーが渾身の開発をしたフラッグシップがセオリーな選択だろう。あくまでクルマ好き基準だけども。エンジンが強力になって、スポーティなブランドほど、フロントヘビーな重量配分と格闘している。価格を上げるためにはどこよりも上質に作らなければいけないが、そろそろ不毛な開発領域に入り込んでいる気もする。
フロントヘビーで失われた運動性能を取り返すなら、シンプルにエンジンを小さくすればいい。ターボやモーター駆動などの余計な補器も入れずに、1.5L自然吸気の直列4気筒110psで、高負荷も含めた全域で十分な動力性能を発揮できるように設計することで、ユーザーの求めるドライビングカーが実現すると確信しているのだろう。
クルマが楽しかった時代に戻れ!!
20年くらい前にはほぼ全ての日本&欧州メーカーに存在した「黄金比」なパッケージを守りつつ、自然吸気エンジンと、ダイレクト感を強調する方向で進化を続ける独自のトルコンATが醸し出す最高のドライビングフィールを磨いたクルマ、それがMAZDA3だと思う。MAZDA2より100kg程度は重量が重くなるので、単純な数字上のパワーウエイトレシオは悪化するが、ワイドなボデーでフラットな姿勢を保つのでヨー方向やロール方向での出力の損失を防ぐことができる。
ホイールの大径化も効いているのだろう。Cセグハッチバックが18インチを履きこなすようになったのは比較的に最近のことであるし、MAZDAが率先して進めている。これらの意欲的な設計が日本市場向けの低出力タイプの1.5Lエンジンと組み合わされてどうなるのか?ややネガティブな懸念があった。カローラスポーツもシビックも日本市場には170〜180ps級の北米向けエンジンをそのまま投入している。