MAZDA3が地方の高速でぶっ飛ばしている理由
平日の館山道など走っていると、もの凄いスピードでカッ飛んでいくMAZDA3をしばしば見かける。ざっと150km/hオーバーくらいで巡航しているようだけど、MAZDA3に乗ってみるとよくわかる。リアがトーションビームになって軸の剛性がやたらと上がっているので、直線区間や中高速コーナーならばどれだけ加速しても怖くないからだろう。CX-5やMAZDA6などの重量があるマルチリンク勢よりもロール感が少ない。
GJアテンザこと現行MAZDA6は、2012年のデビュー直後に行われた大手メディアの走行性能テストで、同じスポーツセダンのF30系先代BMW3シリーズ(320i)と比較された。そしてこれまでの常識を打ち砕き、GJアテンザの方が高速道路での直進安定性はかなり優れているというジャッジがされていた。車幅もホイールベールもGJアテンザの方がやや広く、FF横置きシャシーなので、基本的には有利なことは百も承知だけど、ドイツを代表するグランドツアラーと堂々と肩を並べたMAZDA車は誇らしい限りだ。
軽さは正義
そのGJアテンザ=MAZDA6よりも、さらに1.5L自然吸気のMAZDA3の方が直線番長な走りをするのだから、これはもうよくわからない。時代による技術の向上もあるだろうけども、異論のない意見としては「軽さは正義」ってことだろうか。ディーゼルエンジンを鼻先に積むMAZDA6の操舵はそれほどクイックではない。2.5L自然吸気ガソリンも、1.5Lエンジンより重量が嵩む。GJアテンザは前輪への荷重割合が大きく、前輪がクルマを支えて、後輪がフワフワ自由に動く。そのせいだろうかハンドリングもちょっと遅れる感じではある。
先代のプジョー508ではディーゼルモデルだけフロントサスがダブルウィッシュボーンに変更されていた。重いディーゼルエンジンを搭載してフロントヘビーなモデルだと、サスペンションを変更してでもバランスを取ることが必要だと判断したのかもしれない。MAZDAのディーゼルモデルは推進力に魅力はあるが、このブランドに期待したいハンドリングのキレは、軽量なガソリンエンジンモデルと比べても当然ながら失われてしまう。