Cセグは意外に奥が深い
代車で乗ったMAZDA3の1.5Lモデルに感動し過ぎて、前回の投稿でベタ褒めした。余計なことも書いてしまって、予定していた文字数をあっという間に超えてしまい、後からあれもこれもと書き足りない内容が出てくる。こんなにいいクルマだと最初からわかっていれば、実家がカローラツーリングを買うときにMAZDA3スポーツバックへ多少無理してでも誘導しておくべきだったかもしれない。
カローラツーリングにもMAZDA3を上回る良い点が少なからず(いやかなり)ある。この両車は一長一短な要素がかなり多くて比較していて面白いし、それぞれに強烈な個性を持っていて、個々のユーザーによってはっきりと好みが分かれると思う。根本的に違うところを1つ挙げれば、MAZDAは最初から後席の日常的な使用を考えていないのに対して、トヨタは5人乗車でもなんとか耐ええるべくユーティリティに工夫を凝らしている。
開発者の暴走
スタート地点からすでに別のジャンルと言っていいくらい違うのだけど、トヨタはMAZDA3の先代モデルに相当するアクセラを社長(現会長)の号令一下徹底コピーして開発されたという裏話が知られている。先代アクセラにはトヨタからTHSユニットが供給されハイブリッドが用意された。この時にMAZDAのエンジニアが回生ブレーキのフィールを劇的に改善させたことで、トヨタの開発陣の面目が丸潰れになり、雪辱を誓って良いクルマを作るが、そのためには「MAZDAをパクれ」が社是になったらしい。
先代となるアクセラと現行のMAZDA3を比べても、開発の方向性がまるで違うものになっている。アクセラではCセグハッチバックのサイズの中に、Dセグ以上の上位モデルに近づけた乗り味を実現しようと工夫されている。フラットでスポーティな乗り味ではなく、適度なストロークによって、柔らか過ぎず、硬過ぎずのニュートラルな乗り味を作り込んでいる。2.2Lディーゼルを搭載して1500kgに達するモデルもあったくらいなので、これはこれで妥当な設計だと思う。