逆風の中を駆け抜ける
シビックよりもさらに日本市場で健闘したのが7代目ゴルフで2013年から4年連続くらいで月1000台を超える販売を記録し続けたらしい。商用車、公用車、カンパニーカーの需要ではなく、個人ユーザー向けにこれだけ売ってしまえば、その後継となる8代目ゴルフの販売が伸び悩むのも仕方がないことだ。それよりも7代目はSUV全盛という逆風の中で、団塊世代狙い撃ちに徹して成功を収めた。まあ乗換需要はあまり期待できないかもしれないが・・・。
さらに7代目ゴルフの大ヒットとシンクロして、団塊世代向けにボルボV40やメルセデスAクラスもブランド史上屈指の好セールスを記録している。ゴルフをベースにしたアウディA3も、ゴルフとあまり変わらない戦略価格で投入された。プレミアムブランドの戦略価格攻勢に対して、トヨタ・オーリス、レクサスCT、MAZDAアクセラ、スバル・インプレッサが市場から弾き出された。トヨタがなすすべもなく惨敗するなんて今では考えられないが・・・。
再び売れ始めるのでは!?
大衆的でユーティリティ重視の普通乗用車を求めるユーザーは大挙してSUVへと動いた。しかしプレミアムブランドだとSUVとロードカーの価格差がかなり大きいので、V40、Aクラス、A3にはそれなりのユーザーが集まった。ドライブ好きという理由でSUVを徹底して避ける層が、手頃な普通乗用車を求めるとしたら、2ペダルならゴルフ、3ペダルならシビックが積極的に選ばれたように思う。中古車市場においてシビックのCVTは不人気過ぎる。
SUVブームが過渡期を迎え、やっぱりロードカーに戻りたいなと感じている人も少なくないだろう。プレミアムブランドのCセグ戦略も団塊世代需要がひと段落して、入門グレードであっても価格はどんどん上がっている。50周年の重みに価値を見出すこともできるし、これまで積み重ねてきた走りにおける実績に信頼を寄せるユーザーにとってはゴルフとシビックは一目置く存在だろう。まだまだ日本市場で重要な地位を占めるのではないかと期待している。