大企業の迷走
人によって意見はさまざまだろうけども、自動車メーカーの高級化路線はすでに破綻していると思われる。OECD諸国のユーザーの可処分所得を根こそぎ持っていく「分捕りゲーム」の最前線に自動車メーカーが今も居座っているのなら、トヨタやVWが時価総額や売上でウォルマート、アマゾン、アップルに負けるはずはない。もちろんフェラーリやポルシェもギリギリの商売を強いられている。
高級車と高級スポーツカーが稼げる商品で、安いクルマは利益が出ない・・・と大企業は口を揃えるけども、世界中の人が都市に集まり、もはやプライベートカーは不要だ!!とディーラーから足が遠のきつつある現状から目を背けて、業界には新しいイノベーションとしてEVシフトが必要だと言い出した。メルセデスもアウディもホンダも日産も将来的にはBEVに統一する宣言をしている。もはやエンジン車の高級化路線に未来など感じないのだろう。
過去の名車を超えられるのか?
自動車メーカーが何を目指そうが知ったことではない。今後も良いクルマは支持されて歴史的名車として扱われることだろう。高性能車にこだわる人もいれば、まだ自動車が人々の憧れであった時代のスタイルに、いつまでも固執する人がいてもいいと思う。ホンダやBMWが自然吸気エンジンを作っていた時代の輝きを今後取り戻せるようには見えない。アウトランダーPHEVはランサーエボリューションを超えた名車にはなりそうにない。
30年前の同じブランドのモデルよりも、歴史に残る存在になるクルマは、ヤリス、スイフトスポーツだったり、GR86やロードスターといった「クラシカルスタイル・カー」に多いように思う。30年経過しても道路事情など大きく変わるものでもない。交通量の少ない越境の峠道は全く道幅も変わっていないところばかりだ。クルマのサイズが大きくなって出力が桁違いに上がるなんて必要は感じない。