MAZDAの決断
2025年を目処にMAZDA2の生産が終了するという噂を聞いた。関東MAZDAのディーラーから直接聞いたわけではなく、あくまでネットの怪しげな情報に過ぎない。しかし4世代目のデミオが車名をMAZDA2に変えて継続している現状を考えると妙にリアリティがある。初代DW型(1996年)&二代目DY型(2002年)が、「コンパクトワゴン」のコンセプトで同じプラットフォームが使われ、3代目DE型(2007年)&現行DJ型(2014年)が「ダウンサイジング=リッターカー」で同じシャシーだ。
MAZDA第五世代(2002〜2011年)に登場したシャシーが、第七世代(2019〜)まで継続して使われていて、新規シャシーの開発も発表されていないから、現行モデルの終焉とともに「デミオ&MAZDA2」の歴史は本当に終わるのかもしれない。ロードスターも同じく2002年以来(RX-8用)のシャシーを、2005年の3代目NC型から継続して使っている。しかしこちらは先日のロードスター軽井沢ミーティングでも、開発陣から「ロードスターの歴史はこれからも続く」と力強い宣言があったようだ。
4世代のデミオ全て欲しいかも
NDロードスターは世界COTYに輝いた名車であるが、DEデミオも実は同じ栄冠を手にしている。現行のMAZDA2(DEと同じシャシー)とロードスターは、MAZDAが世界トップクラスの優れたメーカーであることを示す貴重な存在である。簡単に終焉させるわけにはいかない。歴代デミオはMAZDA車らしく、それぞれに個性が際立っている。初代DW型の大ヒットは、バブル崩壊で倒産の危機に陥っていたMAZDAの救世主的存在となった。日産キューブなどコンパクトワゴンが増える契機となる名車だ。
二代目DY型は、のちに副社長にまで上りつめ「MAZDAスピリッツ」広言して憚らない破天荒な言動で、MAZDAファンからも大人気だった藤原清志さんが主査を務めていた。キャンバストップ装備の5MT車(1.5Lの113ps)という、リバイバルが熱望される楽しいグレードが140万円で販売されていた。わずか5年で販売が終了したのは、国内市場を席巻したエコカーブームへの適応と、多岐に渡る豪華装備によるコスト面に課題があったのだろうと想像できる。