スポーツカーの生き残り
MAZDAのラインナップの多くがSUVとなる中で、ロードカーの販売は「MSR」が中心になっていきそうだ。ホンダ・シビックも販売の大半が「RS」(439万円)に集中しているが、これはe:HEVの上位グレード(430万円)を上回る価格設定である。無印のMAZDAだと、興味が湧かない「セレブ志向」なユーザーにとって、「MSR」ブランドの設定は、MAZDA車を所有するきっかけとなるかもしれない。
500万円のMSRロードスターが、NDロードスターの販売の多くを占めるようになってしまったら、ベース車(289〜368万円)は、突然に販売が終了してしまいそうだ。「MSR」に先行するトヨタの「GR」でも、GRヤリス、GRカローラは魅力的だが、手頃な価格のベース車の2倍くらいの価格に設定されていて、簡単には手が出せない価格帯になっている。
新しいスポーツカーブランド
2025年に「MSRロードスター」が登場し、2026年は「MSR・MAZDA3」、2027年は「ICONIC・SP」がロータリーEVが続いて登場する段取りだろうか。噂によるとMSRロードスターの200台限定車「12R」は700万円ほどで、プロパーのMSRロードスターは500万円だそうだ。「MSR」ブランドは500万円がスタート価格とすると、1000万円を超える価格帯までをカバーするスポーツ・サブブランドになる。
2026年発売予定のMSR・MAZDA3は、北米市場向けに販売している2.5Lターボ搭載の「2.5ターボ・プレミアムプラス」(37、890米ドル=約560万円)がベースになるとすると、日本価格は600万円前後になりそうだ。400万円前後で販売されたスカイアクティブX搭載のMAZDA3は苦戦したが、このモデルに「MSR」のブランドネームが付けば、500〜600万円でも手頃に感じてしまう。スカイXの売り方の反省から「MSR」が生まれた可能性もある。