國政久郎著「営業バンが高速道路をぶっ飛ばせる理由2」

日本で偉そうにクルマ語っている輩を一気に黙らせる!!という意味で、これは名著かもしれないです。警告しておきますが、「ニワカ」のスバルやBMW愛好家は読まない方がいいですよ(結構ショックデカイと思います)。

素人には反論不可能なことをつらつらと書いて、クルマ屋のオッサンがいい気になっているような本です。架空の日本車、架空の日本メーカー開発者をターゲットにして「間違った進化をしている」「早く気付け!!」と啓発しているように見せかけて、大多数の自動車ユーザー読者を馬鹿にしている。「オマエらが『いいクルマ』だと信じているそのモデル・・・実際はカスだよ」まあそう言ってやりたい気持ちはわからないでもないですけど。

「極論を言いたくて仕方ないオッサン」ってその辺にたくさんいますよね(オマエもだろうって!?)。この本の著者は「重ステ、生ブレーキ、リジッドアクスル、この3つこそが機能性を考えれば理想的なんだよ!!」と言いたくて仕方ないようです。けどオッサンの極論がそのまま「正解」になるならば、「仕事の難しさ」から簡単に解放されて、この資本主義の世の中は成功者で溢れているだろうに・・・。水野和敏さんみたいな「天才」の極論なら通用する、いや極論で通用しちゃったから「オレは天才なんだ!!」「非常識な本質」みたいなことをご自身の著書で書いておられるだけですね。

國政さんの決まり文句なのか、文章を代筆している森慶太さんの意図なのかわかりませんが、とにかく日本メーカーの開発者の無知を疑う文言が目立ちます。開発者をバカにするのは年配の老害ライターの特徴なんですけど、明らかに挑発していますね。大手メーカー勤務の人々がこれを読んだ時には、「極論が好きな奴は大抵は仕事ができない」とか「人の仕事に文句をつける前に一度くらいメーカー勤務を経験したら、いろいろわかることもあるんじゃねーの!!」くらいには思うんじゃないかなー。

著者の主張するように、最近の市販車が「100点」を目指して作られていないというのはわかるんですけど、その100点への過程に「重ステ、生ブレーキ、リジッドアクスル」があるとは思えないです。喜ぶ人はいるでしょうけど、ユーザーの誰かが絶賛したら100点とかいうルールでは、自動車産業は成立しないです。読み手を全く信用していないからか「リジッドアクスルの利点なんてほとんど誰も知らないだろう」とか書いてますけど、マスタングのFMCの時にそこいらじゅうのレビューで言及されてましたから、熱心なカーメディアの読者ならわかっているでしょうし、そんなことはメーカーも先刻承知のことでしょう。・・・なんとなく読んでてストレスが溜まりそうなのわかりますよね?

そもそも「日本車=疲れる」というのもあまりピンと来ないです。オッサンの世代にしか通用しない概念を持ち出して話を始め流のもなんだかなー。日本車も疲れないモデルたくさんありますよ。・・・つーか圧倒的に長距離ドライバーが多いのは、乗用車よりもトラックなのだから、トラックには疲れないように工夫する!!って当たり前のことじゃないですか!? それがまるで全て「リジッドアクスル」のおかげで疲れないみたいなこと書いてあるのもちょっと気になります。

ツッコミ所がありすぎて、もっともっと反論したいことはいっぱいあるんですけども、スバル、マツダ、BMW、メルセデスなどに喜んで乗っている人がこの本を読んだらどんな顔するんだろう?と想像すると、ちょっと面白いかも(性格悪いなー)。この一冊だけで雄弁なクルマ好きなオッサンが沈黙しちゃうんじゃないの? この本を読んで思ったのが、ここで自分が沈黙してしまったら、もう自信を持ってブログを書くこともできなくなるんじゃないか!?という悪い予感が・・・何かを発信しなければ。たとえ間違っていてもいいからリアクションするべきだ!!若輩ものですけど、それなりの数のクルマに乗ってきてますし、真摯にメーカーの取り組みを感じて、しばしばそのモデルに感動することも何度もありましたから、「日本車は全部ダメ」と言われて沈黙したら自分の感性を否定することになるなー。

國政さんは「ザックス」のダンパーがいいと書いてますけど、日本のサプライヤーの作ったダンパーでザックスと同等かそれ以上に感銘を受けたものもたくさんあります。ダンパーに関しては海外サプライヤーを使わない日産やマツダのアシは非常にレベルが高い。VW、アウディ、BMWに負けているとも思わないです。ここ数年に乗った中で、これは買いたいと思わないアシだったのは「MINI」「Aクラス」「WRX-S4」「レヴォーグ」「アクセラ」「ヴェゼル」くらいなものですよ、この5モデルは長距離乗ったら疲れるでしょうね・・・。

逆にこのモデルならまず大丈夫!!というのは、「スカイライン350GT」「アテンザXD」「アコード」「レクサスGS450h」と言った比較的に大型なモデルが多いかも。これだけしっかりできていればいいんじゃないの?なんの不満がある? ラック&ピニオンEPSで、倍力ブレーキで、マルチリンクですけど、それでいいんじゃないの? これ以外の軽自動車やコンパクトカーなんてそもそも高速道路で走ることなんか考えてないですし、長距離&長時間での使用なんて想定してないですけど、そういうモデルを捕まえて「疲れる」って言われてもさ・・・そりゃそうでしょ。

ただし國政さんが理想のハンドリングをもつ現行モデルとして挙げていたのが、このブログでもちょくちょく高評価をしている「プジョー508GT」。これ出されちゃったら、もうこれ以上はこの本をディスれないなー。「ちゃんとわかってんじゃん」・・・と上から目線でちょっぴり納得しちゃいましたー。先代のマツダ・アテンザに乗ってみろ!!とは書いてくれないのは残念ですけど。アルファ・ブレラやアルファ156も含めて、FFのフロントDWBのモデルを、「3」では再評価してほしいですね。

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永久保存版のMFI。

モーターファンイラストレーティッド(MFI)、自動車工学、オートメカニック・・・クルマの本質的な価値を理解したいならこの3冊を読むといいんじゃないか?と思ってます。ただしBMWが好き!とか言ってるピュア過ぎるオッサンには刺激が強過ぎるかもしれないですけどね。カーグラフィック(CG)、モーターマガジン、ルボラン、カー&ドライバー、ニューモデルマガジンX、ベストカー、カートップ、ドライバーといった雑誌はクルマについて書いているのではなく、日本人がクルマに持つ文化・コンプレックスを古典的な手法で解説する「オヤジ文化雑誌」に過ぎないです(時計、万年筆、シングルモルトなどを語る雑誌と変わらん)。それに対して冒頭の3雑誌はまったく洒落っけがなく、淡々とクルマの本質について伝えてくれます。

CGが、動力性能的には平凡に成り下がったメルセデスやBMWを必死で持ち上げてレクサスよりも上位に評価しているのに、MFIはそれを全て台無しにしてしまうかのように、各メーカーの最新製品群がどのレベルのエンジニアリングで成立しているかを白日の元に晒してくれます。実際のところメルセデス、BMW、アウディ、ジャガー、ボルボ・・・仮にちょっと興味があったとしても現実を知ってしまうと一気に冷めます。ホンダ、スズキ、マツダの方がよっぽどこだわったエンジン使ってんじゃん。メルセデスよりもワゴンRの方が優れた鋼板使ってるなんて・・・以前にこのことをブログに書いたらメルセデスの掲示板に晒されてちょっと物議を醸したこともあったっけな。

新興国市場が大きく成長した結果、スーパーカーを作るベンチャーメーカーが次々と現れ、大手メーカーでもフォードGTやホンダNSXなどその波に乗ろうとしています。日本でもスーパーカーを作るベンチャーの動きが見られます。今どきベンチャーがクルマを作って上手くいくわけないじゃん!!!という見解はどうやら日本市場しか見えていない輩の愚論に過ぎないようです。これから新興国で何が流行するのか?・・・小学生でもわかるレベルの経営方針を大人が見極めることなんて簡単そうに見えて実はとっても難しいようです。予想外のところに答えがあるもので、メイド・イン・ジャパンの象徴が『自動車』『時計』という時代もいよいよ終焉を迎えそうな中で、日本が圧倒的な輸出国として存在感を増しているのがウイスキーなんだそうです。

ウイスキーは近年では新興国で大人気だそうで、スコッチ・シングルモルトの最高峰ヴィンテージが6000万円超で取引されるのだとか。そんな中で世界の品評会で次々と頂点を占めるジャパニーズ・ウイスキーが欧州で大人気となっているようです。2004年に埼玉県秩父で創業したベンチャーウイスキーの「イチローズ・モルト」の限定品を求めるために(手に入る保証はないが)欧州のマニアがわざわざ秩父にやってくるのだとか。あの秩父が世界の中ではにわかにスコットランドのアイラ島(醸造の名所)のような場所になっているってことです。

スコッチ・シングルモルト好きの物書き(退役の出版屋)・島地勝彦氏の「バーカウンターは人生の勉強机である」はとっても面白いエッセイ集ですが、筆者の歪なまでのシングルモルト執着は、欧州車以外は認めない姿勢を崩さない還暦前後のオッサンライターを見ているような気分になってきます。スコッチはスコッチでもブレンディッド(複数のモルトや他酒を混ぜたウイスキー)が最も馴染めるとうすうす感じている「現実主義」な下の世代から見ると、左ハンドルのSLを無理して日常のアシにしているオッサンのピュアさそのものですね・・・狭い駐車場で苦戦している人がたまにいますね(笑)。オッサンってのは一定の割合でピュアな生き物なんだなー。

クルマとウイスキー。欧州車やスコッチシングルモルトを執拗に愛するピュアなオッサン文化。いつしか世界をリードし世界を制覇するようになった日本車とジャパニーズウイスキー。『Pen』(島地氏の連載あり)『カーグラフィック』がオッサン文化のピュア度をさらに盛り上げる一方で、『Whisky World』(バーボンも差別しない!)『MFI』は・・・シニカル?いやいや世界の流れの中でそれぞれの製品がどう評価されているかを冷静に値踏みしています。どっちの姿勢が優れているか?なんて考えるのは全く無意味です。『GT-R』や『NSX』、それから『イチローズ・モルト』や『響』が世界一を目指して驀進してますが、世界に認められたこれらの製品に対して、いきなり「掌返し」をして祝福してくれるのは、なんだかんだ言ってやっぱりピュアなオッサンですし・・・。

創刊10周年120号記念。『MFI』が10年間で語ってきた自動車技術の総集編です。ピュアなオッサンが愛してきたBMWやアルファロメオの直4ターボが、実は三菱のライセンスエンジン(中国・韓国・マレーシアのメーカーが使う大人気エンジンですよ!!!)だった・・・なんて残酷過ぎる現実もこれまでMFIには書かれてきました。この総集編も日本がクルマ作りをやめれば世界はどうなるか?その「現実」がとてもよくわかる内容になっています。とても内容が豊富なので多くの人に読んでもらいたいという気持ちもありますが、ピュアなオッサンが読んで発狂して「クルマ離れ」とか始めたら嫌だな・・・。オッサンはカーグラフィックでも読んでるのがちょうどいいのかな?

 

カーグラフィックのテストが全く意味不明だ・・・。

カーグラフィック10月号は久々に高級セダンのジャイアント・テストでした。もちろんメルセデス渾身の新型Eクラスをプロモーションする隠れたミッションがあることは、誰の目にも明らかである程度の作為が行われるだろうことは予測済みではあるんですが。それでもこれはあんまりにも酷過ぎるんじゃないかー!!!と思った次第であります。

今回は700万円台の国産・輸入のラグジュアリーセダンが揃えられました。Eクラス(200)の他にはBMW5er(523d)、アウディA6、ジャガーXF(20d)、ホンダレジェンド、レクサスGS(350)。ドイツ勢とジャガーは直4のガソリンかターボ。日本勢はV6。同じ価格で横並びに設定するとユニットのレベルがこれくらいは変わってくるようです。5erなんてディーラー行けば軽く100万円以上は値引きしてくれますから、この5台なら確実に最も安く購入できますけどね。この6台ならば、どれでもいいという人は黙ってBMWへ行くべきだと思いますよ。試乗してディーゼルちょっとウルサイですねーとかゴネておけば150万円以上引いてくれる可能性も。

他の5台に関しては想像以上に値引きが少ないみたいです。先代のEクラスの末期は5er以上のバーゲンで相当に安かったですけど、新型シャシーになってからは相当に強気みたいです。アウディA6もほとんど売れてないくせに値引きはかなり中途半端。そしてレクサスやホンダも値引き交渉が虚しくなってくるくらいに辛い。やっぱり高級セダンをお手頃で手に入れたかったら黙って日産かBMWですね。最近ではこの手のクルマを街中で転がしているのは裕福そうな高齢の女性が多いですね。いい年したオッサンが自慢げに乗るクルマというちょっと前までのイメージがここ数年で一気に崩れました。高齢の女性が運転するならば直4ターボでも十分っていう判断もあるんでしょうかね。

さて具体的に何が意味不明か?というと、テストの最初の項目である『加速性能』が全く成立していない点。排気量が違うからって特別ルールが設定されていて、こともあろうにベストタイムを出しているレジェンドが最下位になるという完全なる異常事態が発生してます(これはホンダが可哀相だよ)。わざわざ測定しなくてもSH-AWDに電動トルクが使えるレジェンドが重量をモノともせずに圧倒するのは素人にもわかり切ったこと。V6自然吸気のGSに唯一迫れるであろうクルマが、AWDのアウディA6だけ。この3台が圧倒的に0-400mタイムが速い。残りの3台のうちBMWとジャガーはダルダルのディーゼルですからメルセデスE200でも車重によっては勝ち目があるかなーと思ったら、4位E200、5位523d、6位XF20dだそうです。もっともトルクが細いのに4位になったE200はエラい!!だから加速部門はトップなんだってさ・・・読者をバカにすんなよ!!!

確かにこんな企画に飛び付くのは、「イケてる高級セダン」でも物色してやろうという偏差値低めなビギナーばかりだとは思いますが、「おや!?今回はレジェンドも入っているのか!?」とついつい気になって最後まで読んでしまうマニアもそれなりにいるはず。世界のホンダが徹底的にリサーチして圧倒的な運動性能と居住空間を持ったセダンを作ったわけですから、改めてカーグラフィックがテストしなくても『加速性能』も『パッケージ』も『高級感』も全て頂点取る!そんなことはわかりきっているんですけども、『何か』を期待して読んでしまうわけです。ホンダの技術がアウェイのフィールドでドイツ勢をボコボコにした!と高らかに宣言されるんじゃないか?って・・・。

もうかれこれ3年くらい前になりますが、2013年10月号のCG誌上で歴史的な『マツダの完全勝利』というレビューが出ました。確か担当は大谷達雄さんでしたが、アテンザXDはBMW320dとは全然レベルが違うくらいに良いエンジンを搭載している!!!5000rpmを越えて加速していくディーゼルなんて!!!とか書かれてましたね。ちょうど同じ頃に清水和夫とかいうオッサンによって収録された動画では、「(アテンザXD)5000rpmくらいまで一気に上がりますねー」その後「(BMW320d)5000・・・5400rpmまでキレイに回りますね!」とかブットんだこと噴かしてましたけども、今回のCGのテストにおいても、改めて523dのユニットは4300rpmがレブリミットであるとハッキリ明記されています(BMWのDEは3年前から進化してないのか?)。

あの歴史的な『マツダ完全勝利』に続いて今度は『ホンダ完全勝利』が聞かれると思ったんですけどねー。もっともレジェンドにも弱点があって、CVT嫌いの人には敬遠されちゃいます。高級サルーンにCVTはレクサスでももちろん採用されてますが、レクサスのHVも運転好きな人々からはCVTがネックになって敬遠されているようです。本当に走りが好き!という人があえてレクサスを選ぶならば、やはりGS-FかRC-Fに行くべきだとは思いますが。またレジェンドはCVTというネック以外にも、北米アキュラブランドで完全にコケた(=主戦場でまさかの大失敗をした)!!!という黒歴史を抱えたモデルではありますけどね。それでもこの6台の中で買うならばやっぱりレジェンドかなーと思うんですよ。700万円払う価値がある唯一のクルマじゃないか?と。

(リンク)清水和夫氏の意味不明!?なBMWステマ動画

やっぱりディーゼルはダメだ・・・と間違っても言ってはいけない。

ニューモデルマガジンXの10月号でオッサンライター3人がダイハツをコケにしてます。女の子が乗るためのクルマをいい年したオッサン3人が寄って集ってボロクソに罵る。一体何が不満なんだろうか?徹底的に安っぽい躾が嫌なんですかね。樹脂製外板を一部使い始めたと話題のクルマですから、ボデー剛性が・・・といった次元のクルマじゃないことは明白なのになー。そのうちにVWゴルフとかBMW1,2,3erだってすぐに真似し始めると思いますけどね。

そんなに「固い」のが好きならば、トヨタ86でも乗ってればいいじゃん。けどあのクルマで素敵なカーライフが送れるというのは男の幻想に過ぎないです。同乗者のことを全く考えていないクルマ選びでしかない。どうもオッサンライターばっかりが3人集まって議論すればデートなんて概念は軽く吹っ飛んでしまうようです。若者カップルが日常に使えて、無理なく新車で買えるクルマっていいと思いますけどね。3気筒だけどさすがは国産車というべきか、同じ3気筒の輸入車みたいな異常な揺すられ感もないですし。つーかBMWの3気筒モデルが軽自動車のムーブに静音性で負けている事実を先に晒せよ・・・バイエルン発動機では大阪発動機には勝てませーん!って。

ダイハツ(トヨタ)もスズキも日産も3気筒を日本の静音性の基準に合わせるべく奮闘しています。マツダがディーゼルを思いっきり静かにしたことにも見られるように、「日本で売る」=「日本のユーザーに安心・快適に使ってもらう」というメーカー自身の誇りに自らの製品が適った上で製品化しているのがわかります。ドイツメーカーは日本メーカーとは追求する方向性が違うとか言う人もいますが、アウディの世界的な躍進は間違いなく静音性でメルセデスやBMWを上回ってラグジュアリーサルーンだと認知されたからですし、メルセデスやBMWだってその後に必死になって『静かなクルマ』を作ろうとしています(だいぶ静かになってきてます)。恥も外聞も気にしないで日本メーカーに頭下げていて、それぞれ日産やトヨタにお願いしてプロペラシャフト技術を教えてもらってます。

それに引き替えPSAの新しいディーゼルはどうもダメみたいですね・・・あれじゃトラックです(インポーターはちょいバカなのか?)。ジャガーもせっかくディーゼル開発において日本の技術に頼って、トヨタの系列であるデンソーに投資したものの、全く日本で売れないシロモノが出来たのは誤算だったようです(マツダと提携しておけば良かった!?)。欧州メーカーにとっては「静音性」の価値がまだピンと来ていないのかもしれないですが、日本メーカー基準の『マナー』が世界にどんどん広がる中で、1980〜90年代に続いてこれから新しい日本の静音技術をいろいろ学んでいくことになるんじゃないでしょうか?

どう見ても欧州メーカー車の現状はとても悲惨で、エンジンユニットに関する技術など何一つ日本メーカーに影響を与えることができないレベルになってます。現行ユニットでせいぜい日本市場で競争力があると思われるのは、燃費ではなくフィールに振っていて評判のいいポルシェ製の直4ガソリンターボユニットと、多段式ATで異常に燃費が伸びるBMWの直6ターボくらいでしょうか。あとは・・・失礼ですが「煩わしい・非効率・故障しやすい」の3悪が払拭しきれていないクズユニットばかりかも。

「日本車はスゴい」という人と「日本車はダメ」という人は、前提としてエンジンなどの基幹技術への理解度に決定的な差があるように思います。メルセデスAMGの2L直4ターボ360ps超を見て「欧州はスゴい」なんて言ってしまうタイプの人は、それが三菱ライセンスの直噴ターボであって、英国向けランエボは400psを越えているとか、マツダのデイトナ用は2L直4で57opsだとか知らないからそういう発言をするわけです(プロライターにもいる・・・)。そして残念なことに、そういうコトが理解できない人ばっかりが自動車ライターになりたがるんですよね。そしてバカな情報が拡散されていきます。そもそもそういった常識的な判断ができてしまったら、日本メーカーにあれこれ物申すことも欧州車にロマンを語ることも難しいですから、それも一つの立派な才能なのかもしれませんけども・・・。

ダイハツ・ブーンをボコボコに扱き下ろした西川淳氏、斉藤俊輔氏、高平高輝氏。この3人は個々にレビューを書けば、けっこう神経質な性格のようで、後ろ指をさされないように言い訳がましいくオブラートに包みながらもなかなか中身のあることを書いていたりします。しかし3人集まれば、とたんにオラオラな『集団暴走』が始まるようですね(中年族ッキー)。もしかしたら・・・それがこの「喜怒哀楽」というコーナーの存在意義なのかもしれないです。それならばお姉ちゃん用のコンパクトカーじゃなくてさ、スバル・レヴォーグSTIとかBRZ-GTとか・・・「欧州車をヤッちまうぞ!」みたいな不穏な野心を抱く日本車をもってきて徹底的にシバいたらいいんじゃないですか?

VWのステマ・中西孝樹がまた動きだしたよ〜・・・!!!

「トヨタvs VW」というビジネス本を書いた中西孝樹というライターがいます。元々が証券会社のアナリストなので、低能な自動車ライターよりも世界情勢に詳しいだろうと思って本を手に取ると、あまりの的外れさに唖然とします。出版が2013年でまだそれほど年月が経っていませんが、書いてあることのほとんどがすでに実情に合わなくなっています。トヨタの経営陣が読んだら、バッカじゃねーのコイツは・・・とか言いそうな感じ。

リーマンショックと東日本大震災のダブルパンチで、さすがのトヨタも赤字を出し、アメリカビッグ3の経営破綻が対岸の火事ではないことを日本経済にも知らしめましたが、中西氏によるとトヨタの途上国市場への取り組みの甘さと、プレミアムブランド戦略の遅れが収支に大きく影響したとまとめています。世界的な株安に直面してホンダとドイツ・韓国ブランド以外はことごとく赤字に転落し、北米ビッグ3以外にもフィアットやPSAなどはトヨタ以上に大きなダメージを受けました。・・・なんでホンダとドイツ・韓国だけは助かったのか?その辺の視点が中西氏の著書からは完全に欠如しています。

VWとその傘下のアウディが成長を続けているのは、グローバルの60%以上を成長著しい中国市場で捌く事ができるからです。トヨタやホンダが本国以上に販売台数を出しているのはアメリカだけです。一方VWやアウディは本国の5倍くらいの圧倒的な数字を叩き出しているのが中国市場です。これはもはや自動車メーカーの努力でどうなる問題ではありません。『トヨタ vs VW』という構図がすでにナンセンスです。ドイツの経済界が「メルケル」という社会主義圏に顔が利くリーダーを選んだという意味ではメーカーの努力ともいえるかもしれないですけどね。

そんな頓珍漢な中西氏が2016年上半期でVWがトヨタを販売台数ベースで僅かに上回ったことを、また不思議なデータと表現を用いてsankei biZに記事を書いています。トヨタの「敗因」は東南アジア経済の低調さにある・・・という部分はわかりますけど、別に東南アジアで商売することがトヨタにとって間違いだとは思いませんけどね。それよりもビックリなのが、新型プリウスと新型ハイラックスの商品力が疑問?という点です。トヨタの主力車種ってプリウスでもハイラックスでもなく、北米カムリと北米カローラなんですけどね。欧州でもBMWエンジンを積んだオーリスがよく売れてますし、PSAといっしょに作ったアイゴも人気です。

一般メディア向けの記事なので、日本で馴染みのあるモデルを例にして説明しているようですけども、車種によるネガティブ要因が多いのはトヨタ陣営よりもVW陣営なんですけどね。中国では大人気のアウディですが、北米ではプレミアムブランドの頂点に立ったレクサスの足元にも及びません。昨年に大々的に問題が起こる前から北米ではSUVのラインナップの少なさから大苦戦しているのがVWです。排ガスでニュースになったVWですが、世界で排ガス規制が厳しい地域は北米・日本・EUの3地域だけであり、もともと北米と日本でのシェアはトヨタに5~20倍程度の差をつけられていますから、VWのグローバル全体の販売台数には大きく影響しません。

まるでVWが危機から立ち直ってトヨタを圧倒したみたいな書き方がされてますけども、トヨタだってやがては林立する中国メーカーが合併すればすぐさま世界首位の座を明け渡す運命にあります。VWのビジネスが極めて中国メーカーに近い形態を取っているからこそ、トヨタを台数ベースで上回ったに過ぎません。

さらに気持ち悪いのが、中西氏の記事に寄せられたコメントのほとんどがプリウスのデザインがダサい!という一色に染まっていることです。せっかくの分析記事も、コメントを寄せる人々には「新型プリウスに疑問」という部分だけしか解釈されていないようですね。さらに不思議なのが、既に他の人が散々書いているのに、わざわざ同じようなコメントをわざわざする暇人の多いこと・・・。1人くらいはと期待しましたが、「VWのガソリンターボはトヨタの小型車のエンジンよりもNOxを50倍も噴射するからさっさと世界から消えてほしい!」なんてコメントは出てこないですね。