200万円 と 2000万円 で下げ止まる自動車価格

新車価格の話です。200万円と2000万円。だいたい日本で売られている全ての日本車&輸入車はこの2つの価格に今後収束していくんじゃないかな!?と思っています。非常に大雑把な話ですけども、だいたい実用的な車を仕立てて売るとなると、需要供給のバランスが取れるのは200万円になるのかなー(平均的な所得の人々の感覚だと)。それに対してメーカーが持てる技術を注ぎ込んで作り上げたハイテクマシンを市販車としてまとめた場合はだいたい2000万円くらいになるんじゃないですか。それ以外の価格の車は・・・ノーコメント。ただし200万円くらいの価値しか発揮できないクルマを700万円で売れば、中古価格はすぐに200万円以下になりますが、5年経って200万円を維持できるクルマがそんなに多くないです。

クラウンもメルセデスのサルーンも本質的には200万円の域から脱していない?というより200万円のクルマで代替可能になってきている。差別化できないからどんどんユーザーが200万円前後の方へ吸い寄せられてしまうというなかなか深刻な状況です。200万円基準のクルマの価格をどれだけ高くできるか?もし1500万円くらいまで引き上げてそれがヒットしたならこれはすごいことです。しかし現実はBMW・M4やアウディRS4くらいの知名度があってもヒットには程遠い・・・なんでだろうか!?それは本質的には200万円のクルマと同じという意味をユーザーが薄々は理解しているからだと思うんですよ。

同じような現象が2000万円前後でも起きていて、この辺りの価格帯にはコスパがいい!!と売り上げ絶好調なモデルもあります。アストンマーティンV8ヴァンテージ、フェラーリ・カリフォルニアT、マクラーレン540C、ホンダNSX・・・これにウラカンRWDとアストンマーティンDB11V8が加わることになりそうです。選ばれしイタリア、イギリス、日本の3カ国のメーカーだけが作れる『優雅』な創造の世界。ドイツ、韓国、アメリカのメーカーには無いスーパーカー文化・・・いやいやもうスーパーカーとかいうバブル期の用語はもう完全に通用しなくなったかも。『嘘』がいくらでも通用したのがバブル期です。スーパーカーという『嘘にまみれた存在』は現代には存在しない・・・もしあるとしたら日本で売っているゴルフとか言う『今も排ガスで偽善を行なっている』クルマがスーパーカーかも。

『200万円と2000万円』もちろんこれは一つの「考え方」に過ぎないです。しかしクルマの本質を見失わずに価値を見極めるためには、これくらい強烈な「概念」があった方がいいと思うんです。数年前にアストンマーティンがトヨタのiQというマイクロカーを全面的に改装して「キャビネット」とかいう名前で400万円くらいで売ってた(アストンマーティンのオーナーしか買えないクルマでしたが)。1.3Lのコンパクトカーに400万円って結構イカれてると思いましたが、最新のアウディのコンパクトSUVも1.4Lで400万円超えてたっけな・・・。落ち着いて考えると『検討に値しない』ようなクルマがまだまだ結構たくさんある。

マツダみたいにお尻に火がついているメーカーは、200万円スレスレのところに『リアル』なクルマを放り込んでくるしか無いようで、欧州で話題になっている『CX3・20S』を210万円で投入してきました。今のマツダは全く余裕がなさそうです。いよいよマツダも終わりか。世間ではここ数年のマツダの高価格路線が自らの首を絞めているとか言われてますが、まだまだ400万円を超えるグレードなどはごくごく僅かで、現実は200万円からほとんど乖離できていないです。これで価格が上がり過ぎとか言われるのは辛いですね。CX5が300万円を超えていても妥当な価格だと思いますし、決して『コスパ』が悪いわけではない。おそらく昔との比較でそう批判している老害が多いようですね。マツダの昔を知っている世代がことごとく死に絶えたら、もっと正当に評価されて良さそうです。

好調だと報じられるスバルも似たようなもので、400万円はまだまだ高いハードルです。実際のところマツダとスバルこそが200万円から最も大きく乖離できるポテンシャルがあると思うんですけど、世間の評価はまだまだクラウンやスカイラインよりも高価な一般モデルは受け付けないだろーな。VWゴルフなども200万円にかなり張り付いた価格になってきました。プジョーもシトロエンも。そして向かうところ敵なしのMINIでも200万円からなかなか離れることができません。

もしスバルやマツダが2000万円基準のクルマを作ったらどうなるのか!?開発費の回収すらできずに単体でのセールスは赤字になるでしょうけども、全く流通しないということはないと思います。フォードが『フォードGT』をV6 エンジン(ツインエコブースト656ps!!)で作りましたが、スバルやマツダが持てる力を全て注ぎ込んで700ps級を作ったら、世界限定500台くらいなら十分に捌けるんじゃないかと・・・。スバルもマツダも中堅規模ながら世界市場をリードする製品力を発揮して生き残ってきたわけです。おそらくフォードと同等かそれ以上のクルマを作ることは技術的には可能なはず。ただしそれを行う『意義』が十分ではないんでしょうね。

『200万円と2000万円』の二極化がより顕在化すれば、世界の市場はどうなるか!? 200万円基準の競争はとんでもなく過酷なものになるでしょう。日本製造、欧州製造がまだまだ喜ばれるとは思いますが、200万円車を世界に大量に投下し続けるトヨタ、VW、GM、フォード、ルノー日産、フィアットクライスラー、ヒュンダイキアの『G7』の圧力の前に、絶えず経営は不安定になるはず。「自分こそは2000万円車がふさわしい!!」と気がつく人々が必死になってお金をクルマに投入するようになるならば、想像を超えたパダダイムの変化が起こるかもしれません。スバルやマツダにとっても一考の価値がありそうだと思うのですが。

 

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