MAZDA VS BMW
MAZDAは、GLSマイバッハやGクラスAMGのようなステージのハイエンドSUVまでは想定していないだろう。今後さらにラインナップが拡充されるかもしれないが、現状ではこのクラスのSUVを売るには特別な優良顧客名簿と優秀な外商スタッフを抱える必要がある。北米販売をテコ入れするために自社ブランド店舗を全米に増やしている段階のMAZDAにはまだまだ荷が重い。
BMWのフラッグシップ・X7も、GLSと同じ77,850米ドルに設定されている。つまり現実的にはMAZDAのCX-90と同等のステージを狙っているに過ぎない。まだ登場してから数年しか経ていないので浸透度も低く、コロナ禍の影響もあって期待されたほどの販売には達していない。
BMWの貢献
X7のベースモデルとなるX5(北米価格61,500米ドル)は、M&Aで手に入れたランドローバーの設計をベースに仕立てられ、北米市場でラグジュアリーSUV市場を確立した偉大なるシリーズである。ランドローバーは2000年にBMWと袂を分かち、伝説のフォードグループの一員になった。
2000年代には、X5、レンジローバー、ポルシェ・カイエンの3車の競合によって、「オフローダーではない」SUVが新たに高級車として認識された。日本では「オフロードを走らないSUVってなんなの?」みたいな意見を堂々とネットで掲げる「保守」的な考えの人もまだまだ多い。まあ時代錯誤だと切り捨てる権限は誰も持っていないが・・・。