GクラスとLXが人気の理由
「オフローダー」由来のレクサスLX、メルセデスGクラスがハイエンドなSUVとして近年そのステータスをさらに上げた要因は、おそらく「非オフローダー(縦置き)」と「非オフローダー(横置き)」のSUVが、プレミアム、メインストリーム問わずに車種が乱立したからだろう。SUVユーザーの裾野が広がれば「差別化」の記号的価値は一気に高まる。
プレミアムの王者メルセデスは3ジャンル全てのSUVをラインナップしている。ランドローバーはラダー構造(オフローダー)のSUVを廃止した。主力車種は全て「非オフローダー(縦置き)」となり、イヴォークとディスカバリースポーツのボトム2台のみが横置きで、いわゆるアクセラ&MAZDA3で使われてきたMAZDA・B系シャシーの改良型だ。つまり縦置きはBMW、横置きはMAZDAのものを使っている。
レクサスのSUV戦略
レクサスは、LX、GXのラダー構造(オフローダー)と、「非オフローダー(横置き)」の2タイプで効率を重視している。トヨタの天敵ホンダがスポーツモデルを除いて横置きであり、最大の北米市場で徹底したベンチマーク戦略を取り続けてきたため「非オフローダー(縦置き)」がない。今後LSやISのクロスオーバー版が出るかもしれないが、その時は新型クラウンなどに使われるFFシャシー(Kプラットフォーム)になりそうだ・・・。
トヨタ&レクサスの首脳部は、「非オフローダー(縦置き)」のちょっとした流行を冷ややかに見ているのだろう。ブランドの最大の武器である「エコ&クリーン」なイメージに全く合わない。2000年代から一時の流行こそあれ、環境意識の高まりと共に消えていく設計だと見切っているのだろう。