クルマの時代は終わった!?
巨大な機械メーカーは存在そのものが、大きな環境負荷を生み出し、寡占状態は資本主義の歪みの元凶と見做されてしまう。しかし機械メーカーが作ってきた「テレビ」の普及によって、ベトナム反戦運動が巻き起こり間接的に平和に貢献している。「自動車」も多くの人々に普遍的な幸福を与えてきた。自由にドライブができるのはもちろん、自宅にAmazonが届くのも、スーパーに生鮮食料品が並ぶのも自動車技術の進歩の恩恵である。
これらの自動車が生み出してきた人類にとっての幸福を、水素社会(あるいはバイオマス社会)の中で環境負荷に負い目を感じることなく享受できるなら、それに越したことはない。テレビやクルマを悪しき20世紀の遺物と見做す意見も当然にあるだろう。それぞれにユーザーとの間に問題を抱えているのは言うまでもない。どんなモノにも少なからず欠点は存在する。気になるなら使うのを止めればいい。
トヨタに突破力が備わったら・・・
燃料電池車(FCV)、水素エンジン、バイオ燃料を使ったエンジンが、トヨタだけでなく、ホンダ、アウディなど、エンジン技術を活かすことに情熱を燃やし続ける日本やドイツの自動車メーカーが開発しているらしい。それらの技術は10年以上前から発表されていて、ずっと待たされてきた感もあるので、何か大きな障害があると思いがちだけど、「世論の変化と社会全体の足並み」こそが最大の障壁だったと思う。
テスラが驚異的な突破力で、次々のBEVの市場を切り開いていった。先陣を切ったテスラ「モデルS」は優美なサルーンシルエットを武器に、世論を変えていった。トヨタとしてもテスラのやり方に大いに見習うべき点があったのだろう。2代目MIRAIがモデルSのようなサルーンに仕立てられたのも当然の成り行きである。