最高の日本メーカーを考える

 

エンジンによるカーボンニュートラル

日産も次期フェアレディZを非電動モデルとして発表しており、今後も市場の複雑な動向を伺う構えをみせている。クオーツに全振りしていたシチズンが自社開発のムーブメントを復活させたが、日産はテスラとは違ってエンジンの開発リソースがあるのだから、市場環境の変化に対してより柔軟に対応できるのが強みでもある。(エンジン&ハイブリッドで優位に立てない技術力の地域では)EV化は唯一のブレークスルーなのかもしれないが、再生可能エネルギーから電気やバイオエタノールを生み出す技術の帰趨によっては、エンジンを搭載しているクルマでもカーボンニュートラルの実現が、理論上は可能だ。

 

 

ポルシェとMAZDA

EV化がクオーツのような低価格普及に帰結した先には、エンジン搭載モデルが「機械式時計」のように評価されることも十分に予想される。アメリカではテスラの数倍の価格で90年代の日本のスポーツカーが取引されている。半世紀以上も前からスポーツカー専用シャシーに自然吸気エンジンを搭載し続けてきたポルシェとマツダは、「ランゲ&ゾーネ」と「オリエントスター」といったところか。クルマが「機械式時計化」の時代に突入することを、ずっと前から見据えていたようだ。古いモジュールを使っていれば何でも良いというわけではなく、使っていて心地よいフィールの追求は10年やそこいらでは実現できない。半世紀作り続けてきたアドバンテージは、もはや不可逆的な序列を作っている。

 




コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です