日本のSUVブーム
世界で最も売れているSUVといえば、ホンダCR-VとトヨタRAV4ってことになっている。日産ローグも含め、日本BIG3の北米での人気は根強く、この10年ではすっかりSUVが販売の主体となっている。3大メーカーが北米市場を重視したサイズで導入しているため、そのままのサイズでは日本市場で敬遠されるため、日本では地味な存在だ。
2012年に某M社がC○-5なるSUVを発売すると、日本でもSUVブームが巻き起こった。同じタイミングでホンダはBセグシャシーの初代ヴェゼルを投入し、200万円台前半の手軽な価格がウケて大ヒットを記録している。トヨタは北米RAV4とは異なるシャシー(カローラ用)で、先代ハリアーを仕立てる作戦がユーザーにあっさり見抜かれて、日産エクストレイルやM社のC○-5に遅れを取ってしまう。販売網で圧倒的に有利なはずのトヨタにあるまじき失態を犯す。
悲運のCR-V
爆発的に売れた初代ヴェゼルの影で、北米ベストセラーの先代CR-V(2011年登場)も販売されていたが、発売のタイミングがSUVブーム前夜で、2012年以降に登場した新世代SUVが備えていた設計上の工夫も見られず、全く波に乗れなかった。登場が2011年でまだSUVブームが到来しておらず、2012年の「C○-5革命」後に発売されたヴェゼル、エクストレイル、ハリアー、ハスラーの注目度が高かったのとは対照的だった。
この先代(4代目)CR-Vは、ブーム前の古めかしい設計だったが、ホンダにとっては日本市場も視野に入れた戦略的なモデルだったようだ。初代CR-Vが累計25万台(6年間)売れたのに対して、2代目、3代目は2.4Lエンジン飲みの設定で日本では不人気でそれぞれ5万台ほどしか売れていない(販売期間は3世代ともほぼ同じ)。そこで日本市場での再起をかけ、税制上の都合を考えて2Lエンジンを追加して臨んだ4代目だったけども、累計販売台数は2万台まで沈んだ。