SUVブームはクルマの選び方を変えた
セダンが消えていったこの10年で、国内外のメーカーが次々とSUVを投入した。あまりにも数が多いし、SUVをじっくり試乗なんてしたくないから、基本性能はどれが一番優れているか!?なんて・・・もはや、わからない。日本に正規導入されているブランドなら、どこで買ってもとりあえずハズレなんてないだろうし、その中から「付き合いのあるディーラー」「好きなブランド」「オシャレ(清潔感)」などの要素で選ばれている。
SUVに関しては、試乗レビューなんて読んでも意味はないと思う。プロも素人もあれこれ言ってるけども、彼らよりもずっと詳しくてクルマに熱い開発者たちが人生懸けて作っていて、それが「味」なんだから部外者がアレコレ偉そうに語る必要もないと思う。ヴェゼルもC○-5も試乗してみて「良い印象」はあった。しかしSUVは1度乗った限りでは、あまりにわからない部分が大きい。静粛性、路面の突き上げ、加速&制動の強弱くらいは判断できるけど、車重があり車高もありエンジンスペックも似たようなものなので、スポーツカーや小型車とは違いライバル同士で乗り味の差がわかりづらい。
SUVばかり作る理由
マーケティングが上手いとは言えないM社は、ずっと「スポーティな乗り味」でユーザーにドライブフィールをアピールしてポイントを稼ぐブランドだった。それが2代目C○-5では、これまでの「走り」への偏重を封印した。メーカーが意図したかどうかはわからないけど、このクルマが登場した2017年頃には、セダンの衰退は不回避な状況となっていて、「個人向けのフォーマルな乗用車」需要は今後はミドルSUVが受け皿になるだろうと考えるのは自然なことだ。先代よりも明らかに落ち着いた「走り」にシフトしたのは偶然だろうか!?
M社のプロモーション動画のメッセージから判断すると、今時のユーザーが求めているのは「走り」よりも「ライフスタイル」・・・ということは、ハッキリと気が付いているらしい。「走り」のスポーツカーよりも、「ライフスタイル」のSUVを先に充実させる戦略とも合致する。 そもそも「自在のハンドリング」や「思い通りの加速」を求めるユーザーはSUVには見向きもしない。ミニバンと同じく、彼らにとっては一番遠いところにある存在かもしれない。そしてユーティリティや快適性の追求ならばミニバンだろう。それなのになぜSUVの需要が高まるのか?