脱・製造業
株式市場はトヨタよりもテスラを高く評価している。先行き不透明な情勢の中で、生産設備増強(車体工場&電池工場)とインフラ整備(充電スポット設置)ための巨額の投資を強行するテスラに、投機家達もギャンブラーの血が騒ぐのだろう。確かに倍々ゲームで自動車市場を闊歩できるポテンシャルを持っているのはテスラと中国企業だけかもしれない。テスラとは真逆に生産設備の縮小を意図しているトヨタは、「製造業」からの脱却を図っている。メルセデスもBMWも東南アジア、西アジア、アフリカ、メキシコ、東欧などで増殖する請負生産工場に「製造部門」を委託しているが、トヨタ、ホンダも自社工場を生産し新しい「業態」へと移行している。
L VMHのように
創業100年を超えるようなアパレル・装飾品ブランドが集まる「LVMH」グループのようなビジネスを真剣に研究しているらしい。テスラとトヨタでは新型モデルが市場に与える印象は大きく違う。まだまだ未経験の人の方が圧倒的に多いテスラに対しては「どんなクルマなんだろう?」という好奇心が強いだろうけど、こお3年間に発売されたトヨタの新型車は、RAV4もヤリスもハリアーも試乗などしなくてもクルマのイメージがなんとなく掴めてしまうし、実際に購入する人の多くは「トヨタだから」選んでいる。テスラの方がLVMHにふさわしいとか感じつつ購入している人もいそうだけど、「希少」ではなく「信頼」をブランドの定義だとするならば、アメリカのリサーチ会社の最新のデータによるとトヨタの他に、マツダ、ホンダ、日産などがLVMH的なビジネスに向いている信頼を勝ち得ている。