ダイハツの隠された魅力
東南アジア市場で圧倒的な強さを誇っているのが、ダイハツと合弁しているプロドアであり、前述のようにEV化と同時進行で、日本市場が突如として東南アジア化したならば、経験値で勝るダイハツが優位に立つだろう。新興国市場向けだったヤリスクロスを、急遽日本市場に投入することで、消費喚起が難しい日本市場をかき回し、最終的にグループ完全子会社のダイハツでごっそり地方の市場を制圧しようという遠大なる計画のスタートなのかもしれない。かつてダイハツが日本市場で販売していた「テリオス」「ビーゴ」が、縦置きエンジンFRシャシーを受け継いだまま、3列シート車「テリオス」「セニア」として東南アジアで販売されている。1000kg程度の車重に100psくらいの小型ユニットを搭載しMTと組み合わせている。自動運転なんかより日本のASEAN化の方がずっと楽しそうだ・・・。
挫折から全ては始まる
東南アジアで人気のダイハツ車は全長4.0〜4.2mくらいの7人乗りSUVが多い。シエンタやフリードなどのプチバン3列と同等のサイズで、同じ3列シートが様々なデザインテイストのSUVボデーに収まっている。FRの2車種以外に、FFでも「アルズ」「シグラ」などがある。これらのモデルはすでに秘密裏に日本市場向けのリメイクが行われていて、量産準備が整いつつあるのかもしれない(どこで作る!?)。すでに東南アジアではトヨタブランドからも別の車名で販売されている。ダイハツが作ってトヨタディーラーで売るビジネスモデルは日本を含めたアジア圏ですでに広がっており、今後は欧州や北米にも展開されるのだろうか!? コロナ禍でも1.9兆円の利益を稼ぎ上げつつも、「クルマ作りの挫折」に苛まれて痛みを伴う改革としての「業態変更」が待った無しで開始されている・・・さてトヨタの今後は一体どうなって行くのか!?非常に興味深い。とりあえず、MAZDA、ホンダ、スバル、三菱がトヨタ(戦意喪失!?)に負けてしまうクルマしか作れなくなったら、もう廃業しかないだろうが・・・。