HVの売り方
トヨタに限った話ではないのだけど、HVとガソリン車の両方を用意したモデルは、ユーザーの迷いを生む原因にもなり、新車購入に踏み切るエネルギーを削いでしまう面もあるようだ。代表的なモデルとしてスカイライン、フーガ、クラウン、レクサスのセダン&SUV全般、BMW3シリーズなど、思ったほど売れていない。もしCX-5やレヴォーグで通常モデルとHVが併売されていたら、初代から大ヒットするモデルにはならなかったかもしれない。2014年に登場したV37スカイラインは、HVを想定していないV35以来の旧型シャシーに荒技でモーターを搭載した。V35の設計者である水野さんは、この暴挙に憤慨して日産を辞めた!?
スカイラインの躓き
当初はHV専用で導入され、その販売戦略が一定の効果を発揮し、同時期に発売されたスバルWRX・S4を相手に優位な戦いをしていた。しかしメルセデス製の直4ターボを積んだモデルが後から登場し、クルマの注目度は一気に下がる。慌てた日産は中国市場を除いて自社製のV6ターボに置き換え事態の打開を図る。HVもガソリンも高性能なユニットを揃えてはいるけど、買う側の心理としては「帯に短し、タスキに長し」でなかなか踏ん切りが付かない。乗り出しで500万円以上するクルマだとこれはシンドイ。燃費など気にさせずにクルマの魅力を徹底的に叩き込むことができるからこそ、ベントレーやらマセラティやらの高級ブランドは成立している。スカイラインの完成度をしっかりとPRすれば、これらのハイエンドなブランドに負けない良いクルマだとわかってもらえると思うが・・・。