味わい深い
多くのスポーティなブランドでは戻す操作の際には、スイッチが切れるように早く収束し次の動作への待機状態になるのだが、メルセデスはすぐに荷重が抜けないし、アクセルオフの感覚もちょっと変わっている。MAZDA車でメルセデスディーラーに乗りつけて試乗すると、かなり感覚に差があるので不思議な気分になる。スピルバーグの演出と同じように好みが分かれるところではあるけど、メルセデスのファンにとってはこれが非常に重要なポイントなのだろう。ホンダ、スズキ、ダイハツなども独特の味付けを持っているわけだけど、やはり名門の権威ってのは価値がある。スピルバーグの作品だから見ておこうってなる。決して2000年以降ヒット作が少ないというブラックジョークではない。
トヨタが磨く価値
前述のカローラツーリングの最上級グレードじゃないけど、トヨタで乗り出し300万円を超えるクラスのクルマには、ファンを惹きつける(お金を払わせる)「舞台装置」がある。欧州ブランドだったりMAZDA、日産などの上級モデルは「ドライビングカー」としての本質を損なわないことを前提に、快適装備が配備されインテリアの素材にも上質な肌触りのものが選ばれる。走りを阻害することはないので、物理スイッチやレバーの質感には問答無用で拘る。欧米文化を下地にしたクルマ作りは伝統を守ることが求められる。