「松竹梅」の時代
まだまだ自然吸気エンジンがたくさん発売されていた頃(2000年頃)には、日本の自動車税の基準に合った「1500cc以下」という排気量にはわかりやすいメリットがあった。日本メーカーならどこもだいたい1.5Lエンジンが使われていた。スバルのボトムは1.6Lだったことを除けば、トヨタカローラ、日産サニー、ホンダシビック、MAZDAファミリアなどなど、1.5L自然吸気をベースにするモデルは最量販モデルでもあり、これらの「国民車」をさらに売りやすいように、各メーカー横並びではあったけど1.3Lと1.8Lの上下グレードのエンジンが設定されていた。
上のグレードが欲しくなる
1.3Lグレードはとりあえず平坦は問題なく走るが、加速や登坂は苦手でロングライドには向いていない。1.5Lはグランドツアラーとしての最低限のスペックを備えていたけど、高速道路を100km/hで巡行するとかなり高回転でやかましく回るため、自動的により排気量が大きいクルマに憧れるよう根回しされた設計だった。そして1.8Lでは、もはや上のグレードのハイソカーの風格すらあった。