ホンダの選択
自動車メーカーは、今からでも可能であるなら1.8L自然吸気エンジンを新造したいかもしれない。それでも予断は許されない状況だ。電動化技術の発達であらゆるレベルのグランドツーリングカーを手軽に生み出せる時代になってきている。ホンダは、かつて自然吸気Vテックの頂点と言えるユニットを1.8L自然吸気で作っていた(インテグラtypeRなど)。このユニットは130~140psどころか200psオーバーの特別チューンであったが、実用域で過不足なく使えるベストな排気量として選択したのだろう。
Vテックターボの顛末
しかしリーマンショック後の2010年代には自慢の自然吸気Vテックを凍結し、1.5Lターボで理想に挑み始めた。現行シビックの1.5Lターボ&6MTは、ファントゥドライブを表現しているし、同じエンジンがCR-Vやステップワゴンにも採用され、積載幅が大きいクルマにも過給を変えて対応できる懐の広さを見せている。1つのエンジンで様々なユーザーに満足を与えている。ホンダのターボ構想はどこかVWの後追いみたいで「らしくない」と感じていたところもあったけど、説明通りの価値を市場に提供している。そして次は電動化技術でそれらのニーズを満たしていく方針のようだ。