新しい着想
クラウンの4車種展開は、ドイツのプレミアムブランドや、MAZDA、スバルがやっている上級モデルを同時に複数開発する手法(一括企画)をそのまま模倣したものだと思っていた。しかしパワートレーンもシャシーも別々のものを使い1つの車名を共有する手法はあまり例がない(マスタングとか?)、トヨタが持っている資源をこの4車種に集約させたというのであれば、「何らかの意図」を持ったプロジェクトなのだろう。
ピックアップトラックを除けば、SUVばかりが売れるようになったアメリカ市場で、「自由の象徴」であったクルマは急速にオワコン化しているとの指摘もある。前述の理由で北米メーカーがクルマ作りに消極的なのも気になる。リーマンショックで破産まで行ったのだからそう簡単には自信は取り戻せないかも知れない。過渡期でプレーヤーが減っている北米市場だからこそチャンスが転がっている。ビッグプロジェクトを仕掛けるには良い頃合なのかもしれない。
トヨタは盟主だ
クラウンの4車種は、マッスルカーのような「クロスオーバー」、シビックtypeRなどのコンパクトハッチが愛されるアメリカ市場ゆえの「ハッチバック」、高級サルーンの伝統を受け継ぐ「セダン」、グランドワゴニアを産んだアメリカに向けての「エステート」・・・素晴らしいアメリカのクルマ文化をテスラによって破壊されてはいけない!!そんな糾合・団結を呼びかける意図があるのではないか!?
このクラウンの企画がすんなりと成功するかどうかはわからない。それでも「高齢者に売れます」「主婦に売れます」「汎用性が高く売れます」などなどマーケティングがあまりにもシンプルで、烏合のプレゼンを瞬時に通過してきたようなクルマばかりが出てくる時代に、これだけのことを企画してやってのけるトヨタは素直に素晴らしいと思った次第。