アライアンスの勝者
もし不慮の債務超過で自動車メーカーとしてのMAZDAが突如として幕を閉じたら、トヨタの社長の暴挙も原因の一つだと思いたい。いくらアライアンスの相手だからと言ってもあまりに理不尽である。発表会でMAZDAの名前を出して目一杯持ちあげておけば、堂々とコピーすることへの批判を和らげるだろうという、何もかもが計算づくなところがムカつく。もしかしたらパクるためにアライアンスを結んだのだろうか!?
2017年に発表されたアライアンスだけど、北米で合弁工場を作っただけで、MAZDAのディーゼルもFRシャシーもなんだかんだで使わなかった。北米トヨタ向けのヤリス(デミオのOEM)をメキシコ工場で作っていたけど、トランプ大統領が作り上げたUSMCAの規定に引っかかりそれもあっけなく終わってしまった。
恩を仇で返す
新型プリウスのデザインはMAZDAのコピーというわけじゃない。プレゼンの内容によると、トヨタの社長は当初は(MAZDAやスバルに配慮して)コモディティ化してタクシー専用車にしろと指示したらしい(本当か?)。しかしプリウス開発陣がエゴを発揮して「コモディティ」ではなく「愛車」を作る(MAZDAの市場を奪う)と主張したようだ。その結果、MAZDA3スポーツバックのような主張の強いエクステリアデザインになった。
MAZDAが完成させたTHSの回生ブレーキとMAZDAを真似たTNGAシャシーを備えたクルマによって、MAZDA3などのシェア(CX-30と合わせて40万台/年)は容赦なく奪われるかもしれない。まさかトヨタがここまで本気でMAZDAの「3%市場」の破壊を意図してくるとは思わなかった。「全ての人が乗れるエコカー」と宣言していることから、価格も歴代プリウスのように大幅ダンピングなのだろう。