新型ユニットの狙い
カローラのセダンとフィールダーは燃費重視の1.5Lの直3(120ps)に変わったのでこれは急勾配でははっきりと不満が出る。もう一つの1.8Lハイブリッドと車体剛性の上がったカローラの組み合わせは、なかなかの傑作で高級車のような静粛性を実現している。ドイツ車を手本に5ナンバー車体にV6を詰め込んだ「小さな高級車」プログレなんてモデルがあったが、現行のカローラTHSも「コンパクトなクラウン」と言っていいかも。
プリウス&カローラの1.8Lハイブリッド(140ps)は、短距離で平坦な市街地を走り回るだけなら最強レベルのユニットではある。新型プリウスの2.0Lハイブリッド(193ps)は、さらにオールラウンドなスペックだ。新型クラウンから始まった「別スペックHVグレードの併売」だけど、「静粛性重視」と「スポーティ」を明確に分けてTHSのイメージを良くする狙いがあるのだろう。クルマ好きから敬遠されてきたHEVだけど、ホンダのe:HEVや三菱のPHEVがその流れを変えつつある。機を見るに敏なトヨタゆえにクラウン、プリウスで追従した。
インサイトとプリウス
「e:HEV」が商標として日本市場で知られるようになったのは、現行インサイトだけど既にアメリカ、タイ、日本の各拠点での生産が終了している。インサイトとプリウスの因縁はHV黎明期に遡り25年近い歴史を刻んできた。シビックやZR-Vには新世代のe:HEVが搭載されているので、4代目インサイトはシビックとアコードの間を埋める、クロスオーバーセダンにでもなりそうだ。
ホンダや三菱がHEVを手掛けると「楽しそうなクルマ」のイメージがある一方で、トヨタTHSや日産e-POWERは「クルマに興味ない人向け」な感じがしてしまうのは何故だろう。あくまで素人の想像&偏見に過ぎないが、ホンダや三菱の開発者は私生活でもHEVを楽しんでそうだが、トヨタや日産の開発者はTHSやe-POWERなんて全く好んで無いんじゃないだろうか。