良いクルマの予感
新型プリウスのスポーティ版となる2.0Lハイブリッド(193ps)は、GRカローラのようなサーキットで楽しむクルマでは無いと思うけど、それだけがスポーティの解釈ではない。そして19インチを履いたからといって、いきなりハンドリングマシンに大変身というわけでもないだろう。プリウスより軽くて230psの自然吸気エンジンを積むGR86とは異なる、グランドツーリング志向が伺える。
TNGA-Cプラットフォームのベースが、第六世代MAZDAのスカイアクティブシャシーにあるとされる。2012年に初めて19インチを履いたGJアテンザ(現MAZDA6)の2.2Lディーゼルを試したが、荒れた路面コンディションを問題としないフラットライドが高いレベルで実現されていた。その乗り味が新型プリウスではHEVで再現されているかもしれない。懸念材料としては車重が200kgほど軽いことだろうか。
MAZDAの2.2Lディーゼルモデルが売れたのはよくわかる。ゆったり乗れる上級モデルにしては、実用燃費に優れているし、車重があるのでしっとりした乗り味がありつつも、中速域からの加速もダイレクトかつスムーズで、やや「もっさり感」が拭えないレクサスISのV6などよりも気持ち良い。日本での発売当初から静粛性にも定評があった。唯一にして最大の欠点はレスポンスの問題だが、最新鋭のCX-60はマイルドハイブリッドを組み合わせてこの問題に取り組んでいる。
東京からの往復400kmの長距離行程込みで、西伊豆、箱根、信州ビーナスラインなどの観光道路を最高に楽しめるユニットはなんだろうか!?BEVは航続距離に不安がある。燃費を気にしない金持ちなら大排気量の自然吸気でOKかも知れない。11km/L程度の実用燃費しかないCX-5はちょっと不満がある。そして前述したようにライトウエイトスポーツカーやWRX・S4では、悪路での振動がネックになる。