ホンダがHVとターボのリャン面展開、マツダはディーゼルで一点突破を狙う中で、輸入ブランドではポルシェが全量ターボの大転回。アウディもいよいよ12気筒モデルと新型R8(V10)を除いては全てターボorスーパーチャージャー化(日本市場では・・)。BMWはとっくにターボ化が完了(12気筒は除く)。メルセデスはSL350といった生き残りもまだありますけども・・・Eクラスの改編でほぼ絶滅。欧州にいけばまだまだターボ無しなんてたくさんあるのに、日本に持って来るようなそこそこの価格のモデルは全面的にターボになっちゃうみたいです。MINIも自然吸気は絶滅寸前。
各メーカーによる日本市場での戦略が交錯する中で、欧州で最も安いAセグ、自然吸気&MTのモデルをそのまま持ってくればそこそこ売れるんじゃないか?と何も考えずに『素』のモデルを放り込んできたのがルノー・ジャポンです。マツダから引き抜いたヴァン・デン・アッカーのデザインが早速日本でも話題となっていてわずかながら追い風が吹いているルノーですが、日本で1000台/月を越えるMINIやプジョーに追いつくにはまだまだラインナップが淋しいところ。もちろん「FF最強」を自認するルノー・スポールの各モデルや、カングーやメガーヌエステート220(MTのみ!)など個性的なモデルが揃ってるので日本の好き者による指名買いは十分に期待できるわけですが、今度はさらに新たなユーザーを獲得できそうな異次元なモデルがやってきました。
日本だけでなくユーラシア全域に投入されつつあるルノー・トゥインゴですが、0.9L自然吸気&MTを積んだ限定モデル「サンクS」は発売初日に完売するなど注目度の高さを伺わせます。なんといってもリアエンジンの後輪駆動ですからね・・・そりゃ売れますよ。トヨタがやろうとしつつも未だに市販に至っていないコンパクトな後輪駆動車「ヨタハチ」復活企画を、まんまとルノー(日産)に先に越された格好になりました。しかしこの好調な売れ行き(といっても各50台限定の2グレードが完売しただけですが)には、トヨタも大いに注目するでしょうし、すでに欧州市場でも人気沸騰ですから、Aセグ(アイゴ/C1/108)で提携中のPSAと新たなプロジェクト(S-FRの市販化?)へと進む可能性も。
スポーツカーのS-FRじゃなくて、RRによる新設計がいい!という話になれば、「よーしトヨタ・チーム全員集まれ〜!」ってことで、BMWの高剛性ボデー&足回り、スバルの水平対抗エンジン、マツダのデザイン&電動ステア、ダイハツの外板パネル、ロータスのリアトランスアスクル、PSAの電動キャンパストップが各々の得意分野が持ち寄られての歴史的大プロジェクトになればいいですね(トヨタはお財布係)。それにしてもRRに水平対抗のNAって・・・そうです!VWを仮想ライバルとした『トヨタ連合』ですから。出来上がってみたらトゥインゴではなくてボクスターになっている可能性も・・・。
トヨタは過去にiQ-GRMNという限定モデル(FF、1.3Lスーパーチャージャー122ps&MT)を355万円で販売して見事に100台限定を即完売したことがありました。ベースモデルの「iQ」にもMT車(167万円)が用意されていて、これが現在でも中古価格が100万円を下回らないプレミア車になってます。なんだかんだ言ってもトヨタってやっぱり先見の明があるよね〜。
今後のトヨタによるルノー・トゥインゴ・フィーバーへのリアクションがとても楽しみですが、このRRシャシーは、もうご存知だとは思いますが、ダイムラーのコンパクトカーブランドである「スマート」からすでに販売されています。こちらはそれほどの反響はなかったようで・・・。やっぱりメルセデスのディーラーに他ブランドのユーザーが「スマート下さい!」って突撃するのはちょっと気が引けますよね。そもそもがメルセデスの高級車をお持ちの人向けのセカンドカーといった意味合いで販売されてますから、「は?」ってなりますよ。きっと。
先代のスマートは三菱が提携先となっていて、現在何かと話題の三菱の軽自動車がベースになっていました。そのFF機構がそのままメルセデスへと格上げされてグローバル戦略モデルとして日本でも大人気になっていますが、再びスマートのフォーマットを使っての開発が進むようならば、次期AクラスはRRとなる可能性もあります。AMGが意地で市販化した横置き2Lターボの世界最強ユニットもそのまま使えますし・・・。
日本の高級車市場を占める3大勢力「トヨタ連合」「MB・ルノー・日産連合」「VWグループ」がそれぞれにRRシャシーを開発して、傘下のブランドが好き勝手にアレンジしたモデルを乱立すれば・・・とりあえず事故るヤツが増える!?まともなデバイスが無いRR車ってメチャクチャな暴走させると結構アブないとか。まあ自動運転ができる時代ですから、バカを諌める&強制終了させる機能なんて簡単に作れるでしょうけども。
「RR」という設計がいいですね。まもなく自動運転が始まろうという時代に(RWDはもう不要?)、ドライビングの楽しさが沸き出してくるようなスペックの代名詞が「RR」じゃないですか?ダイハツ・アトレー(FR)とかスズキ・エブリィ(MR)とか駆動方式だけでなにやらスポーティな雰囲気がありますし・・・。自動運転化へのアンチテーゼとして「トゥインゴ」が君臨する青写真がチラチラ見えてます。がんばれー!!!