シトロエンDSによる大々的なフェイスリフトが実施されまして、どんなに素敵なラインナップになるのか?と期待してましたが、どうやらハードルが高くなり過ぎていたようで・・・。うーん。わざと塗り残しを作っていますけど、これは一体何を「狙っている」のでしょうか。
母体のシトロエンも、DSとは別の路線でなかなかアバンギャルドなフロントデザインを配していますが、こちらはしっかりと計算され尽くされていて、まだ新しいはずなのに欧州の伝統デザインのような風格すらあります。ちょっとキツいことを言うと、某日本メーカーが欧州で仕掛けた大ヒットSUVのデザインにかなりインスパイアされているのかも。名物デザイナーN氏を擁して小型車デザインに革命を起こし続けているその日本メーカーと高いレベルでシンクロしているのは素晴らしいです(シトロエンだけがN氏の領域まで踏み込んでる!)。
さてデザインがやや問題のDSですが、PSAによるとどうやら中国での現地生産に踏み切るとのことです。さらなる巨大化が留まる様子をみせない巨大市場で、確実に伸びると推定されているのが「プレミアムカー市場」で、DS以外にもアウディ、メルセデス、BMW(提携先のブリリアントが生産)、キャデラックが早く生産を始めています。一方でマセラティ、アルファロメオ、ジャガー・ランドローバーは本国生産にこだわりを見せています。中国資本になったボルボも予測されていた以上に欧州生産にこだわりを見せています(本国政府から補助金が出てるから)。
これからのプレミアムブランドは大まかに「中国向け」と「非中国向け」に2分化されていくと思います。どのブランドが中国向けだ!と名指しするのはとっても失礼なんですけども、DSのように自ら「中国への愛情」を最大限に示すブランドも今度は増えてくるのでしょう。まだ中国向けを主張するブランドが日本、欧州、北米などで好意的に受け入れられる地盤はできていないですけども、あと10年もしたら状況は大きく変わるでしょう。ドイツ勢が慎重な姿勢を見せている今の内に、DSがどこまで中国プレミアム市場でシェアを主張できるようになるのか?もしそれに成功したならば、世界に向けて新しいフランス車のトレンドを見せてくれると思いますので、ぜひぜひDSには中国で頑張って頂きたいものです。