タイトルにもある通りでボルボが新しく採用するプラットフォームでは、リアサスがリーフスプリング(板バネ)になるようです。トラックを始めとした大型車両では当たり前に使われている機構ですけども、乗用車しかも高級車向けとしてはかなり珍しいです。しかしもしかしたらこれはものすごいブレークスルーになるのかも? 新たに投入されるフラッグシップのセダン/ワゴンはすでに北米では発売されていますが、これが年内に日本にも入ってくるらしいです。
直4ターボでFFという設計で1000万円超になる見込みだそうですが、さらに板バネとは!もちろんオプションでエアサスもあるそうですけど。ボルボの資本主でもある中国の市場を視野に入れたロングボデーあるそうなので、規格外の大型車両の駆動に関してはトラックの技術を使うのが一番なのかもしれません。積載量でトラクションが大きく変化しないようにリアサスはガッチリしたものを用意。コイルスプリングではもはや限界なのか?
ちなみによくトラックの後部に「エアサス車」と貼ってあったりします。精密機械運搬用のトラックでは、まろやかな乗り心地を作ったりすることもずっと前から行われています。これを技術的には乗用車へと転用するのは容易でしょうし、そもそもS90/V90は1000万円もするクルマですから、業務用大型車両が使う技術とはいえネックとなるコスト面でも吸収可能なのかもしれません。メルセデス、BMW(ロールスロイス)、アウディ(ベントレー)でもなかなかやろうとしないことを、ボルボは率先して踏み込んでいるのか!?
もはやガチガチにサプライヤーに牛耳られていると思われていたボルボですが、なんか戦略が大胆ですね。まあ確かにBMWだかアウディだかジャガーだか良くわからないようなクルマを作っていては勝ち目はないです。率先してXC90みたいなクルマを仕掛けることで商機を見出してますね。日本のどっかのメーカーも見習うべきでは? ボルボと言えば欧州の高級車が挙って使っているトルコンATのサプライヤーであるZFを切り捨てたことでも知られます。ボルボが6速が欲しいと言ってもZFは10速を買え!の一点張りだったとか。確かにクソサプライヤーの言いなりになったらBMWの二の舞ですからね・・・。
ほとんどのサプライヤーがドイツや日本、アメリカに本拠を置いていて巨大グループの系列だったりします。ヒュンダイはそれらに組み込まれることを拒んで自前の高級車向けトルコンATを現代パワーテックという系列サプライヤーが用意しました。スウェーデンメーカーのボルボという独特の立ち位置が、ガチガチのドイツ勢・日本勢とは違った新しいスタイルを生むポジティブな要因なのかもしれません。