日本メーカーの新型モデルが出てこないですね。86、プレミオ/アリオン、エスティマのMCはやや大規模でしたが、陣容の揃ったレクサス、トヨタどちらも現状維持の構えか? 日産もGT-RのMCとセレナのFMCが相次いで発表されましたが、クルマ好きが期待しているシルビアの後継モデルや、欧州で販売するアルメーラ(パルサー)の日本導入などはなかなか実現しません。中国や東南アジアでは日本未発売のNISMOモデルが続々出るなど勢いを見せつけているのに・・・。そして北米日産はスポーティ×フルサイズセダンのマキシマがFMCして、さらに北米と欧州のインフィニティではQ60(スカイラインクーペ)がすでに登場しています(日本は年内か?)。・・・ここまで既成事実を積み上げると『日本軽視』の批判も免れないかも。
日産からしてみたらカーメディアを鵜呑みにする日本市場にはメリットが無いのかもしれません。もはや日本人はGT-Rなんかには興味が無いのでは?とすら分析されている可能性も。誰が見ても否定出来ないほどに、日産と日本市場が疎遠な関係になっているのは一体誰のせいだ?カーメディアか?ディーラーか?それともスカイラインGT-R愛好家か?(いやいやフランス人がトップに君臨しているから?) BMW(直6ターボを埋葬)やポルシェ(911ターボを屠殺)を軽く捻り倒す実力を持つ日産が日本市場から流出しているのはとても残念なことですけどねー。
「欧州でも北米でも日産が大人気!」という事実を日本のカーメディアはどういう意図があってかわかりませんが封殺する傾向にあるようです。そのせいか日産車の魅力が日本のユーザーにはなかなか伝わりにくい状況にあるようですし、ジュークが欧州でバカ売れして勢力地図を大きく塗り替えたことすら、日本ではあまり知られていません。日産の日本市場向けの商売はとにかく地味ですね。とりあえず日本専売モデルを中心に投入していて、使い勝手や『本質』にこだわるユーザーに訴求する戦略がコアになっているようです。具体的に言うと、主力の3台はセレナ、ノート、エクストレイルですが、この内でセレナとノートは『日本スペシャル』です。この両車はカーメディアに露出する機会はほとんどないのですが、日本市場向けに特化して作られていてトヨタやホンダのライバルモデルよりもユーザーレベルの評価は圧倒的に高いです。
5ナンバーミニバンで最良の静粛性と操縦安定性を持ち、新型ではとうとう自動運転まで始めるというセレナ。コンパクトカーなのに革シートのグレードを大胆に導入したノート(その後マツダも追従)。どちらも大衆モデルの価格の範囲内(やや高めだけど)なのに、手の込んだ趣向を随所に凝らしていて、日本市場のユーザーにとってとても価値あるクルマであることを追求しています。こういった一面を見ていると、日産の意識の高さに敬服しますね(スバル、マツダはまだまだ!)。個人的には『技術の日産』というよりは、『品格の日産』という言葉がしっくりと来ます。マトモな感性を持つユーザーしか相手にしませんよ!という静かな主張がクルマ作りに現れています。
カルロス=ゴーンが来るずっと前から日産のアイデンティティは、『どのクラスのクルマでも世界最高を実現する』だったそうです。実際にGT-R、フェアレディZ、フーガ、スカイライン、ティアナ、シルフィ、エクストレイル、セレナ、ノート、ジュークの主力10モデルに関しては世界ナンバー1の地位にあると思います。実際に辛口な欧州メディアも、『日産ブランド』の前には弱腰で、欧州で展開されているGT-R、エクストレイル、ジューク、アルメーラなどはもれなくクラス最高の評価が付されています。
そんな日産の基準からみれば、トヨタやホンダの廉価モデルはもとより、『良質』と言われるマツダやスバルだってまだまだ発展途上どころか、『隙だらけ』で日産の敵ではない印象を強く受けます(レクサスやホンダの上級モデルならさすがに見劣りしないですけど)。例えばスカイラインと発売時期が重なったスバルWRX S4は価格にして100万円以上安かったですが、まさかの大敗北でした・・・。ユニットのスペック自体は互角ですが、乗り味も静音性もS4の完敗。さらにスカイラインの方が燃費も0-100km/hのタイムも上というスバルにとってはトラウマになるほどのコールドゲーム的な展開でした。やっぱり日産は恐ろしぃ〜な!!!
スバルには敢えて言いたいですが、実際に同じ日にスカイラインとS4試乗してみましたが、ハッキリ勝負にならないくらいの『大差』だったですよ! そしてこの大差の中にマツダ(アテンザ)、VW(パサート)、BMW(3er)、アウディ(A4)、メルセデス(Cクラス)がスッポリ入ってますね(スバルは一番下だ!)。S4はメルセデスCLAくらいには勝ってますけども、やはりCセグがDセグに勝つのは無理なんだという現実が突きつけられましたねー。そのことをブログに書いたら、すぐに某掲示板に晒されて、『コイツは日産の関係者www』とか書かれましたけど・・・。
カーメディアは「ドイツブランドに学べ」とか20年前と同じことを言ってますけども、それを愚直に敢行してビルシュタインのサスペンションまで用意したスバルが日産の前に『屈辱的』な大敗を喫したわけです。いまのスバルの好業績はトヨタ・ハリアーや日産ムラーノといった日本メーカーが北米で攻勢をかけたSUVの戦略に上手く乗っかったからです。ビルシュタインとは全く無関係のところで稼いでいるわけです。ドイツブランドのラインナップなんてハリアーの真似、クラウンの真似、スカイラインGT-Rの真似、ランエボの真似ばかりなのに、一体何を学べというのか? もっと日産の最新のクルマ作りが理解されるようになるといいのになー。