沢村さんの最新刊で「BMWには盲従するのに、アメリカのエンジンにはなんら関心を示さない」と日本メーカーの開発姿勢を批判しておられました。はて?何のことか?日産VQ37のVverのことか?レクサスの直噴ターボのことか? ホンダのVtecと三菱の直噴ターボを端緒としたエンジニアリングが、BMWを経由することでトヨタと日産が重い腰を上げる?いやいや血眼になる・・・ということらしいです。レクサスの直4ターボは直噴&ノズル併用の『環境重視型』ですからBMWの貧乏くさいゴミとは違うと思うんですけどね・・・。
日本メーカーによるBMWコンプはともかく、沢村さんが言いたいのはアメリカメーカーの偉大さは、日本のメーカーや自動車ユーザーがもはや関知できない次元でスゴいことになっているってコトらしいです。「日本の自動車産業が世界を先導している」というのは単なる驕りに過ぎないという一面を余すことなく見せてくれます。やっぱこの人はすげーな・・・。フェラーリを乗り継いで来た沢村さんにしてみれば、991以外のドイツ車なんて『空疎』で何の讃辞も生まない平凡な工業製品に過ぎないようです。600psオーバーで恐る恐るアクセルを踏まざるを得ないクルマにしか本質的な興味は無いみたい・・・ps中毒重症患者。
そんなヘロヘロなジャンキーはとりあえず置いておいて、年内で日本市場から撤退するフォードは、日本のユーザーが大好きなジャガー、ランドローバー、アストンマーティン、ボルボ、マツダを復活させた素晴らしき自動車コンツェルンです。もちろんフォードグループはトヨタ、VW、GM、ルノ日と並ぶ世界の覇者でもありますから、そんなビッグネームの不在はちょっと淋しいですね。日本市場の成長性に疑問なんでしょうけども、フォードが得意とする大衆モデルを日本で売るのはたしかに難しいでしょう。欧州で70万円くらいで売られているインド製のエコスポーツを日本で250万円で売ろうとした辺りで完全にケチがついた印象です。せいぜいVWのup!と同じ140万円くらいにすべきだった・・・。
エコスポーツや、未だに旧式のマツダシャシーを使っているフォーカスやフィエスタを250~350万円で売りたいフォードに対して、日本のユーザーが予想外にリアクションしたクルマがマスタングとナビゲーターだった・・・。見事にすれ違ってますね。一旦日本から撤退したあとで、コンチネンタルやらGTやらが出揃った頃に、フォードの高級&スポーツラインナップだけ厳選した日本ディーラーを作れば商機は十分にあると思いますけどね。
コンチネンタル(リンカーン)、フォードGT、マスタング、フュージョン、ナビゲーター(リンカーン)、クーガ、フォーカス(STとRS)、フィエスタ(ケン=ブロック仕様の『HFHV』をライセンス生産!)といったラインナップならば、あらゆる日本のクルマ好きがいろいろなメーカーから乗り換えてくれそうな気がします。A45AMGと同等のスペックを持つフォーカスRS。600psで直ドリ自由自在のケン=ブロック仕様フィエスタHFHVは、現物が4000万円(現物プレミア込みです!)で販売されたようですけども、多少モデファイして1000万円以下に設定すれば、日本中にサウジドリフト始めるバカが溢れるぞー。直ドリ自在で市販車のほとんどをカモれるコンパクトカーなんて素晴らしいですね・・・。
欧州で販売されている至って地味な一般モデルを日本で売るのはちょっと難しくなってきたように思います。オペルなんてどのクルマを日本に持ってきてもダメじゃないか?という気がしますね。さらに言えばVWのパサートやゴルフ、ポロだったり、プジョーの208や308なども『わざわざ日本で乗る』クルマじゃないなー。さらには欧州志向のマツダだったり、BMWなどもなんだか味気ないなー。日本で余計にカネ払って乗るクルマにしては物足りないです。BMWやマツダの優位性なんてあまり認めたくはないですけど、プリウスの長足の進化でかなり脅かされてきていますし。だから・・・ボルボの予想外に高額な新型モデルに食指が動いたりするんでしょうね。