「キャンパストップ」と呼ばれるルーフが電動でスルスル開くオプションは、欧州Aセグメントでは定番のオプションみたいで、トヨタのアイゴ(PSAと共同開発)にも装備されています。日本に導入されているものとしては、シトロエンDS3カブリオ(304万円ちなみにBセグ)やフィアット500C(253万円)などですが、これが今回一気に199万円まで下がりました。これには日本メーカーもタジタジですね。コペンやS660は見るからにスポーツカーで2シーターですからユーザーを限定しますが、トゥインゴ・キャンパストップは誰が乗っても違和感ない牧歌的な「プロムナード・カー」になってます。さすがにヘビーな巨漢のオッサンが乗ってたらちょっとイヤだけども。
このクルマひょっとすると、トヨタがFMCしたばっかりのパッソの女性ユーザーも喰ってしまいそうですね・・・。好調なスズキのハスラーやアルト・ラパンもうかうかしていられないと思います。それにしてもルノー日産が仕掛けた『日本戦略』はとてもよく考え抜かれていますね・・・いよいよトヨタが本気になってアイゴを日本に引っぱり出すか? キャンパストップは日本ではまだまだ珍しいオプションなので、非常に興味深い上にベース車と比べて僅かに10万円しか変わらないというお手軽さには『感動』すら覚えます。
今のところ2ペダル車(DCT)だけの装備ですが、MT車に装備されたらさらにちょっとしたムーブメントになりそうです。すでに足回りを固めた『GT』もスタンバイしているようで、RRの魅力に加えて、ルーフが開いて、ヴァンデンアッカー渾身のデザインをまとって・・・なんとも無欠なコンパクトカーのシリーズとして日本に根を下ろす予感がします。スイフトRS(特別仕様車148万円・1.2L自然吸気・欧州仕様・後輪ディスクブレーキ)やデミオMB(1.5L自然吸気・競技用でもエアコン付き)といったスペシャルモデルがこれまでも地味にヒットしてましたが、欧州コンパクトカーをさらに深いレベルで堪能できるカースタイルがお手軽に手に入る!!
実際はインドとかで売っているヒョコヒョコした小型エンジンを吊るした軽便なマシンでしかないわけですが、メルセデスと共同開発をしている上に、技術の日産のエンジニアリングが細部まで行き渡ったルノーへの信頼感も高まり近年では欧州で大きな渦となっています。さらにAセグメント(小型車)の長い伝統も併せ持つルノーブランドですからノウハウももちろん持っています。さらにデザインのマツダからヘッドハンティングしたカリスマデザイナー(ヴァンデンアッカー)が指揮を採ったデザイン。日本のユルい交通事情を考えると十分な走行性能じゃないでしょうか。ただし高速道路は止めておいたほうがいいかも。
もっともルノーのボデーは定評があって、ワンクラス上のルーテシア(ノートの兄弟車)は、某研究機関の実験によると、市販車最強と思われるボルボV70とオフセット衝突させたところ、ルーテシアは高い乗員安全性を示し、「走るレンガ」のボルボの方が致命的な被害が出たとのこと・・・。最近じゃドイツ車とかボルボとか頑丈そうに見えて、チラホラNCAPでヘボい点数出しています。逆にフランス車やイタリア車の方が高い水準になってきているようで、最新のユーロNCAPではアルファロメオ・ジュリアが好成績を収め、スカイライン、アウディA4、BMW3er、メルセデスCクラスを完全に上回ってクラスの頂点を一気に奪取しました。ルノー車は全般的に高い水準にありますけど、同じグループが作るスカイライン(V37)がやや低めなのはどうしたことか?ボデー開発にお金が回ってないの?たしかに設計は古いけどさ(2000年頃のものを使用)。