一般に広く知られていることですが、スカイラインに搭載されている2Lターボエンジンは、メルセデスから供給されています。愛用者の中には「メルセデスエンジンなんて豪華!」と満足げな人もいるようですけども、一方ではレクサスやBMWの2Lターボよりも確実に落ちる?という厳しい指摘もあります。日産は経営合理化として高級モデルにおいてメルセデスとの提携を広範囲に結んでいますが、今回新たにインフィニティ向けとされる2L直4ターボを日産が開発したということで、提携の見直しが水面下で行われている可能性もあります。
日産からリークされたテクニカル面での情報によると、なんと圧縮比を自在に変えることができるエンジンなんだとか。その可変の振り幅がまたスゴくて8.0〜14.0まで動くらしいです。実際ガソリンターボの圧縮比は気筒数とボア径によりある程度は上限が決まってくるようですが、日産の新型ターボは4気筒でボアは不明なものの14.0というターボでは例を見ない高い圧縮比で、これは圧縮比自慢のマツダの「自然吸気」のスカイアクティブに匹敵します。やっぱり日産とんでもないことしてきますね・・・。ちなみに現行のメルセデス直4ターボは、ボア83.0mmで圧縮比が9.8。BMWのB48がボア82.0mmで圧縮比が10.2といった水準です。そこにマツダがボア89.0mmの2.5L直4ターボで圧縮比を10.5まで引き上げて市販エンジンで世界最高レベルに達したと大々的に宣伝していました。
さてそんなマツダがいよいよ2.5Lターボを日本に投入する?というカウントダウンに突入している中で、日産が「10.5なんて大したことないですよ!日産は14.0ですよ!」と横槍を入れてきたようです。マツダと日産の因縁が再び・・・。マツダの『魂動』デザインの頂点に位置する現行アテンザにはコンセプトカーのSHINARIの段階からパクリ疑惑があります。現行スカイラインのプロトタイプとされたエッセンスというコンセプトカーが、SHINARIよりも1年先に登場していて、それをマツダが急遽パクったという話です。実際に登場の年代を追ってみるとマツダは限りなくクロです。
大した技術でもないのにカーメディアでチヤホヤされるマツダと、カーメディアと徹底的な冷戦状態にあり大抵のカーライターから冷たく扱われる日産。これだけでも両メーカーの間にはただならぬわだかまりがあることが容易に想像できます。日産も反撃とばかりに、スマッシュヒットしたマツダのCX5のデザインを、新型エクストレイルではごっそりと美味しい部分を頂いています。ここまで雰囲気が酷似してくると、パクリ返したのでは!?という話も信憑性があります。現状ではエクストレイルの販売がCX5を圧倒していて、日産がやり返しつつあります。さてマツダとしてはAWDだったりターボエンジンだったりと、日産の得意なフィールド(そもそもこのブランドはどんな技術でもナンバー1主義ですが)で小賢しい展開を見せていますが、例えばマツダの『Gコントロール』も地味ながら日産がエクストレイルにすでに装備済みの機能に似ています。
さてマツダとの抗争に終止符を打つべく?登場した今回の直4ターボですが、日産は声を大にして「圧縮比を上げると走りが悪くなる!」とマツダの弱みを見事に暴露しています。圧縮比に関してガソリンエンジンは目一杯上げて、ディーゼルエンジンは目一杯下げるという方針で内燃機関を研究し尽くしているような印象を世間に与えているマツダとしては赤っ恥もいいとこですね・・・。日産によるとガソリンターボは8.0がレスポンス面でも理想的な状態なんだとか。えーまじっすか!確かに圧縮比が上がっているエンジンには、それほど『気持ちいい』といった感想を持ったことないかも。14.0のスカイアクティブよりも10.5のMZRの方が絶対にレスポンスはいいですし・・・。さてさて日産の大胆な動きを受けてのマツダの反応と次の一手が楽しみですね・・・。