もちろん中古車価格じゃないですよ。フィアット500の正規輸入の新車価格が183万円です。フィアットグループは欧州と南米に大きく根を張ってますが、今後は中国市場でのシェア拡大を目指して、中国市場への影響力が強いとされる北米市場と日本市場での存在感を高める動きに出ています。すでに北米ビッグ3の1つであるクライスラーを傘下に収めているので、北米への足掛かりはできていて、クライスラーやジープブランドを使ってイタリア製造車の販売を拡大しています。
日本市場に向けてもすでに大胆な動きを見せていて、マツダが世界に誇るロードスターをフィアットグループの新しい魅力に据えるべく、資金を注入して新型ロードスターを作らせました。マツダの独力では新型シャシーの開発を含めたロードスターの存続はあり得なかったので、ロードスターファンにとっては、フィアットの判断は「天佑」であり「エンジェル降臨」といったところです。
ジープもマツダもここ数年で日本での販売を伸ばしてますが、フィアット本体もいよいよ月1000万台という輸入ブランドの壁を突き破って、ボルボ、ミニ、アウディを追い越しそうな勢いです。とはいってもフィアット本体の日本ラインナップは、Aセグの「500」と「パンダ」、BセグSUVの「5ooX」だけ・・・。ボルボ、ミニ、アウディと比べるとそのボリュームの差は歴然ですが、フィアットの強みは「手軽さ」で、200万円台〜のミニとアウディ、300万円台〜のボルボとの差別化を図ってきました。
183万円ならば、日産ノートやホンダフィットといった、大手日本メーカーの人気Bセグとほとんど価格差ないですね。ヴェゼルやジュークといったBセグSUVだと250万円くらいしますから、国産車と比べても、車格を気にしなければ(用途で選ぶなら)、互角以上のコストパフォーマンスになっています。いまでは中古車ならアウディQ7(高級SUV)が183万円で買えちゃいますから、新車を買う事自体が贅沢ではありますけど・・・。潔癖症で中古車を受け付けない体質の人にはフィアットにもっともっと日本市場での大暴れを期待したいところでしょう。