アウディの親会社であるVWがアメリカ連邦政府から因縁を付けられている理由ってのがいくつかあるようです。これまで言われていたのが、トヨタやヒュンダイ/キアと並んで急成長を遂げて、世界各地の市場でアメリカビッグ3を阻んでいることと、もう一つはアメリカ国内での生産に消極的であくまでメキシコ経由の供給を行うこと・・・だったのですが、また一つその原因が明らかになりました。
なんとも不甲斐ないアメリカビッグ3の内、クライスラーはすでにフィアットグループの一員でイタリア資本に牛耳られていて、ほぼ日産状態です。フォードは業態の変化を追求する新しいビジネスモデルを打ちだしていて、自動車会社ながら開発製造部門を徹底的に外注に切り替える「アップル」のようなモデルを模索しているそうです・・・。そしてGMは傘下の独オペルや豪ホールデンに開発を丸投げする、ちょっと前のフォードのモデル(マツダとボルボに丸投げ)を今更ながら採り始めています・・・大丈夫か?
デフォルト状態から立ち直ったビッグ3ですが、近年のモデルを見ると世界に大きなインパクトを与えたモデルは皆無。この10年で一番有名になったアメリカ車といえば、新興メーカーのテスラ・モデルSです。アメリカ政府もこのテスラには多額の借款に加え、トヨタにバックアップするよう指示するなど、アメリカ自動車産業の新たな希望に多くの愛情を注いでいるようです。それにしても連邦政府が本腰を入れれば1000万円くらいするクルマにも関わらず、アメリカで最も売れたEVになっちゃうんですねー。
さて日本のカーメディアでも散々に「EVやるやる詐欺」を繰り返しているVWグループですが、こちらも強烈な味方を得ていて、もはやその行動力でオバマ以上に歴史に名を残すことが確定的な鉄血・女宰相メルケル氏の先導で、中国で最も親しまれているブランドへと成長を遂げました。宰相の仮面を被った『暗黒ブローカー』だという噂もあるメルケル氏。ちょっと昔の話になりますが、不可解な反日デモで日本車が破壊され、VW傘下のアウディが「中国全面支持!」を街灯で標榜したとかいうニュースも・・・。実際にあの事件を経て大きくシェアを伸ばして最も得をしたのがVWグループですから。思い起こせばメルケルが首相になったのは2005年。中国で激しい反日デモが起こったのも同じ年でした。(ヘンな陰謀論はやめときましょう)
レアメタルなんて言葉も流行ったっけな。HVが脚光を浴び始めた頃にトヨタやホンダが中国(メルケル)に首根っこ掴まれている状態だったことに慌てました・・・。あれから10年立ってVWが日本でPHVを熱心に売り始めました。太陽光発電の割合が14%という自然エネルギー大国・ドイツが太陽光パネルをびっしり貼付けた車庫ルーフに収まるドイツのPHVというイメージがVWやBMWからもバラまかれていますねー。日本はドイツよりも曇りの日が多いけどね・・・。
そしていよいよPHVのその先にある、米政府の虎の子・テスラが切り開いた、EVラグジュアリーサルーンという市場に、トヨタやメルセデスを差し置いてアウディが先に突撃するみたいです(トヨタは米政府に釘刺されてんだろうな)。当初はレクサスLC500みたいなラグジュアリークーペをイメージしたアウディA9だったみたいですけど、VWグループにはベントレーがあるわけですし、方針を転換してテスラ・モデルSを狙い撃ちしたEVラグジュアリーサルーンになるようです。・・・まだまだ米政府とメルケル&VWの間に一悶着ありそうな予感です。