カーグラフィックのテストが全く意味不明だ・・・。

カーグラフィック10月号は久々に高級セダンのジャイアント・テストでした。もちろんメルセデス渾身の新型Eクラスをプロモーションする隠れたミッションがあることは、誰の目にも明らかである程度の作為が行われるだろうことは予測済みではあるんですが。それでもこれはあんまりにも酷過ぎるんじゃないかー!!!と思った次第であります。

今回は700万円台の国産・輸入のラグジュアリーセダンが揃えられました。Eクラス(200)の他にはBMW5er(523d)、アウディA6、ジャガーXF(20d)、ホンダレジェンド、レクサスGS(350)。ドイツ勢とジャガーは直4のガソリンかターボ。日本勢はV6。同じ価格で横並びに設定するとユニットのレベルがこれくらいは変わってくるようです。5erなんてディーラー行けば軽く100万円以上は値引きしてくれますから、この5台なら確実に最も安く購入できますけどね。この6台ならば、どれでもいいという人は黙ってBMWへ行くべきだと思いますよ。試乗してディーゼルちょっとウルサイですねーとかゴネておけば150万円以上引いてくれる可能性も。

他の5台に関しては想像以上に値引きが少ないみたいです。先代のEクラスの末期は5er以上のバーゲンで相当に安かったですけど、新型シャシーになってからは相当に強気みたいです。アウディA6もほとんど売れてないくせに値引きはかなり中途半端。そしてレクサスやホンダも値引き交渉が虚しくなってくるくらいに辛い。やっぱり高級セダンをお手頃で手に入れたかったら黙って日産かBMWですね。最近ではこの手のクルマを街中で転がしているのは裕福そうな高齢の女性が多いですね。いい年したオッサンが自慢げに乗るクルマというちょっと前までのイメージがここ数年で一気に崩れました。高齢の女性が運転するならば直4ターボでも十分っていう判断もあるんでしょうかね。

さて具体的に何が意味不明か?というと、テストの最初の項目である『加速性能』が全く成立していない点。排気量が違うからって特別ルールが設定されていて、こともあろうにベストタイムを出しているレジェンドが最下位になるという完全なる異常事態が発生してます(これはホンダが可哀相だよ)。わざわざ測定しなくてもSH-AWDに電動トルクが使えるレジェンドが重量をモノともせずに圧倒するのは素人にもわかり切ったこと。V6自然吸気のGSに唯一迫れるであろうクルマが、AWDのアウディA6だけ。この3台が圧倒的に0-400mタイムが速い。残りの3台のうちBMWとジャガーはダルダルのディーゼルですからメルセデスE200でも車重によっては勝ち目があるかなーと思ったら、4位E200、5位523d、6位XF20dだそうです。もっともトルクが細いのに4位になったE200はエラい!!だから加速部門はトップなんだってさ・・・読者をバカにすんなよ!!!

確かにこんな企画に飛び付くのは、「イケてる高級セダン」でも物色してやろうという偏差値低めなビギナーばかりだとは思いますが、「おや!?今回はレジェンドも入っているのか!?」とついつい気になって最後まで読んでしまうマニアもそれなりにいるはず。世界のホンダが徹底的にリサーチして圧倒的な運動性能と居住空間を持ったセダンを作ったわけですから、改めてカーグラフィックがテストしなくても『加速性能』も『パッケージ』も『高級感』も全て頂点取る!そんなことはわかりきっているんですけども、『何か』を期待して読んでしまうわけです。ホンダの技術がアウェイのフィールドでドイツ勢をボコボコにした!と高らかに宣言されるんじゃないか?って・・・。

もうかれこれ3年くらい前になりますが、2013年10月号のCG誌上で歴史的な『マツダの完全勝利』というレビューが出ました。確か担当は大谷達雄さんでしたが、アテンザXDはBMW320dとは全然レベルが違うくらいに良いエンジンを搭載している!!!5000rpmを越えて加速していくディーゼルなんて!!!とか書かれてましたね。ちょうど同じ頃に清水和夫とかいうオッサンによって収録された動画では、「(アテンザXD)5000rpmくらいまで一気に上がりますねー」その後「(BMW320d)5000・・・5400rpmまでキレイに回りますね!」とかブットんだこと噴かしてましたけども、今回のCGのテストにおいても、改めて523dのユニットは4300rpmがレブリミットであるとハッキリ明記されています(BMWのDEは3年前から進化してないのか?)。

あの歴史的な『マツダ完全勝利』に続いて今度は『ホンダ完全勝利』が聞かれると思ったんですけどねー。もっともレジェンドにも弱点があって、CVT嫌いの人には敬遠されちゃいます。高級サルーンにCVTはレクサスでももちろん採用されてますが、レクサスのHVも運転好きな人々からはCVTがネックになって敬遠されているようです。本当に走りが好き!という人があえてレクサスを選ぶならば、やはりGS-FかRC-Fに行くべきだとは思いますが。またレジェンドはCVTというネック以外にも、北米アキュラブランドで完全にコケた(=主戦場でまさかの大失敗をした)!!!という黒歴史を抱えたモデルではありますけどね。それでもこの6台の中で買うならばやっぱりレジェンドかなーと思うんですよ。700万円払う価値がある唯一のクルマじゃないか?と。

(リンク)清水和夫氏の意味不明!?なBMWステマ動画

2件のコメント

  1. 買ってもないのに文句を言う者

    今日たまたま図書館でcg10月号借りて読んだのですが、加速性能のテストはいくらなんでもひどすぎますね。ライターの主観で性能2割引はないでしょう。一位を最下位にするのはさすがに怒りがわきましたよ、、。あ、ブログいつも楽しく読ませていただいてます。

    • wpmaster

      コメントありがとうございます。
      ほんとに憤慨ものです。我々もメディアに対して、無視するのではなくて、相応のリアクションをしてあげるのが礼儀だとは思いますが・・・。

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