なんと日本での発売があっさりと決まって来年早々にも予約ができるみたいです。日本市場での躍進に本腰を入れ始めたルノー傘下のピュアスポーツ・サブブランドという位置づけになるようです。さて肝心のデザインですが、なんかどっかで見たような・・・デジャブ感がハンパないですね。これはト◯タ43×2じゃないかー! ルノーにはヴァン=デン=アッカー、日産には中村史郎というカリスマがいるのにサブブランドはコレかい・・・と内心ガッカリしましたよ。スポーツカーはオリジナリティが無きゃ話にならない!!!マツダの初代、2代目RX-7やトヨタのMR-Sみたいな、悪くないけどちょっと残念な感が否めないです。
某ネットメディアの掲示板にはなぜか絶賛コメントが多数寄せられていて、「やっぱり輸入車には勝てないなー」と最近ガンバリ過ぎな日本勢を軽くチクりと刺すコメントも散見されます。・・・ってこの独創性の無さを見ればデザイナーはもしかして日本人では?くらいの予測は付かないもんですかね。そうですアルピーヌA110はデザインディレクターこそフランス人のアントニー=ヴィランのクレジットですが、エクステリアデザインを全面的に担当したのは、マツダ出身の日本人若手デザイナーだそうです(名前忘れちゃった)。どうやらヴァン=デン=アッカーがマツダからルノーに移籍した前後にこの日本人デザイナーもルノーに移籍していて、そこからアルピーヌに出向しているとか・・・そんな個人インタビューが結構前の雑誌に載ってましたね。
デザインをする上での約束事は、「リバイバル」であることを絶対にわからせるための4灯ライトは必須だったようです。それゆえに43×2を無理やりに4灯化したような、やや宙ぶらりんなエクステリアになってしまったようです。フィアットとマツダが手掛けたフィアット/アバルト124スパイダーのリバイバルも確かに制約によってデザインがややぎこちない感じがします。グリルとヘッドライトの組み合わせがちょっと間が抜けた感じがします。4代目NDロードスターのデザインがなかなか独創的な顔つきだったことからすると・・・。
トヨタ86に対するルノー日産陣営からの「レスポンス」といった意味合いの価格設定には、とうてい収まりそうにはないです。日産の信条である圧倒的な加速性能も0-100km/hが4.5秒以下だそうで、ミッドシップで車格も同じくらいの「ポルシェ718ケイマン・S」とほぼ同水準に仕立て上げられていますから、ケイマンSの800万円よりは安く、86の300万円よりは高くなるのだと思います。ちょうど中間の550万円より安ければそこそこ日本でも売れそうです。・・・というかそんな価格になったらポルシェは大慌てで、ベースモデルのケイマンが500万円台になる!?まあ良くも悪くも718ケイマンをさらにスポーティに仕上げた武骨なインテリアはいまどき新鮮でウケそうです。ケイマンはなんだか国産市販車とあまり変わらないですから・・・。
昨今のスポーツカーは、決してレーシングカーをベースにモディファイしたロードゴーイングカーというわけではなく、ユーザーにスポーティさよりもラグジュアリーさで訴求するクルマが増えてます。マツダのロードスターにしても、やはり変に安っぽく見せない工夫なんてのが随所に見られます。300万円以上するならば、国産の同等の価格帯のクルマくらいの質感はキープしよう!!といったメーカーによるユーザー不信をしばしば感じます。ステアリングもシフトレバーももっと粗野な70年代みたいなスタイルでいいじゃん。そもそも2ペダルなんて要らねー。究極の加速性能を追求するならエンジン止めてモーター積めばいいさ。
アルピーヌA110もどうやら2ペダルのパドルシフトが主流になるようですが、インテリアはアナログスイッチ満載でいい感じになってます。300万円で売る86やロードスターにとっては、余計な開発費を計上できないかもしれないですが、やっぱりスポーツカーを買う理由を「敢えて」求めるとしたら、やはりフラッグシップセダンやラグジュアリークーペ的な高級志向の内装ではなく、スポーツカーらしい「個性」がやや過剰なくらいに必要なんじゃないかと思います。スカイラインやらアテンザやらクルーズに適したロードカーなんていくらでもあるわけで、見た目のパネルがそれらと同じだったらフェアレディZやロードスターを選ぶ理由なんて限られたものになってしまします。
プジョーRCZやポルシェ718ケイマンなど、普通乗用車的な面白みがないスポーツカーが日本でも地味に存在していますが、このアルピーヌA110はアルファ4Cやロータスエキシージ/エリーゼとも違ったインテリアデザインで、今後の国産車・輸入車のスポーツカーにも大きく影響を与えそうな予感がします。内装に惚れて買うって人も出てきそうです。せっかくリバイバルしたのですから、日本でも一定の人気が出ればいいですねー。