年末に発売された「2月号」では昨年に引き続き「カーグラフィックアワード2016」が大々的に展開されています。昨年は「SUV死ね!死ね!」をアピールするあまり、ポルシェ・マカン&レクサスNXという時代の寵児ともいえる2台に対して編集部全員でボロクソの評価を下して、総評では渡辺編集長が「我々は常に誇り高く歩む!!」と力強く宣言しておられましたが、果たしてその孤高の理念は今年も守られたのか!?
評価する編集部員は昨年の7名(加藤、渡辺、中村、大谷、桐畑、八木、伊藤)に三代やよいというバブル世代の生き残りみたいなオバさんが参戦していますが、このオバさんが面白いのなんのって、思わず飲み物を噴き出してしまいそうな珍コメントが連発します。もはや孤高の理念とか軽くブットんでしまうくらいに企画全体を破壊しています。・・・去年までのこの企画に足りないのは書き手の個性だったんだなーと改めて思い知らされた次第です。それにしてもこの面白さはちょっとクセになる!!ブログ記事を書くときの参考にさせてもらおうかな〜。
今年のノミネートは11台。栄えあるグランプリ(1位)は「BMW・M2」。あれれー去年までの理念はどこへ行った?800万円に収まったBMWのハイパフォーマンスカーという意味では市場の活性化に大きく貢献した1台だと思いますけども、クソ真面目な八木氏が指摘している通り「それなりのアップデート」なマシン的な仕上がりという側面もあります。
その辺の微妙なジレンマを噛み締めてオトコのライターは毒にも薬にもならない事を書いてますが、三代さんは・・・バブルの頃のBMW全車に共通して使えそうなテンプレート的レビューを展開!!このレビューなら別にM2で無くてもよくね!?男性陣がしきりに気にしている「M240iとの差別化」など全く気にもしない破天荒な内容!!そんなにこのクルマつまらなかったですか!?
2位になったのはスバル・インプレッサ。ここでも三代さんのレビューは冴えに冴えてます。他の人々がスバル渾身の新型プラットホームに対する所感を延々と述べる中で、この人だけはそんな個別な感想などはまったく無し!!あまりに面白いので引用させてもらいますが、冒頭から
「『ゴルフに近い』とか『3シリーズみたい』とか『Sクラスのような』というのは、自動車業界における褒め言葉だ。彼らが陣取るその山の頂きに、必死で登ろうとしてきた日本車は、いまは9合目くらいまで辿り着いたろうか。」
なんなんだこの人は!?クルマのこと何も分ってないオッサンみたいな言い分だなー。
そもそも三菱のライセンスターボが無ければ「ゴルフ」も「3er」もたぶん存在してないんじゃないですか!? Sクラスはともかく、ゴルフや3erなんてのは代を追うごとにどんどんと日本車みたいな乗り味に仕上がっているだけに思うんですけども。三代さんみたいにゴルフや3erが日本車の上に君臨していると必死で思い込んでいる(暗示をかけている)のはバブル世代だけじゃねーの。
失礼ですけど「日本車乗るなんて負け組」みたいなクソなメンタリティしているから、ホンダNSX(6位)って存在がまともに理解できないんだろうね・・・ここでもこの人のレビューは一般論!!「日本製のスーパーカーが日本の街で日本人の注目を浴びる。これぞ若者のクルマ離れを治療する、最高で最良のカンフル剤に違いない」ってそもそも「日本製」じゃねーし!!クルマ離れをなんとかしたいならバブル世代のクソなメンタリティを徹底的に破壊してまともなクルマ文化を作ることが先決ではないでしょうか!?
3位のEクラスに関してもまたまた三代さんは実車の特徴への言及はせず。「Eクラスvs5er」というなんとも古典的な構図をそのまま引用してテキトーなこと書いてます。失礼ですがまるでバブル世代の読者代表による投稿みたいな内容です。結局11位のプリウスまで三代さんは一般論だけで押し通しています。しかし真面目くさった八木、大谷、桐畑諸氏の分析なんかよりもよっぽど印象に残ってしまうから困ったもんですね。クルマってのは結局のところ「メカ」よりも「文化」的な側面が楽しいってことなんでしょうか!?
昨年はロードスター、ジャガーXE、シトロエンC4ピカソの「走り」の3台を絶賛。ミニバンのC4ピカソは消え行く運命のプレマシーのたった1台の後継車だ!!みたいなピュアな熱さがあったんですけども、ことしの上位3台は「雑味たっぷり」のオールマイティモデルばかりが選ばれました。そしてそこに仲間入りできそうな出来映えのプリウスは奈落の底へ突き落とす!!カーグラフィックさんのプロパガンダは相変わらずですね!!来年も期待します!!