ルノージャポンの2017年3月の販売台数は昨年同月比で71%アップの1333台。とうとう1000台の大台を超えました(最盛期の3月ですが・・・)!!しかもトゥインゴだけで561台。ウイングロード(427台)、バレーノ(425台)といった価格面での日本のライバル車を超えてます!!これはすごい!!けどまだまだVWポロ、VWup!、フィアット500には及ばないですね。しかし大躍進のアバルト595シリーズ(401台)には競り勝ちました!!・・・しかしトゥインゴの潜在能力は、ヴィッツ(12,654台)、パッソ(7,052台)くらいはあるはず。絶好調のノート(24,363台)の販売がひと段落したら日産のディーラー網で売ってもらったらいいんじゃないの?4月の速報値では495台ですが昨年同月比では280%ですから、いよいよ「本格化」しましたねー。
ルノーのグレード設定は独特で、価格からみるに最も低価格なのが「アクティフ」そこから「ゼン」「インテンス」「GT」「RS」と5段階ほどあるようです。プジョーではこれが「スタイル」「アリュール」「シエロ」「GTライン」「GTi/GT」となるようです。フランスメーカーのグレード名は、日本語とか英語とか混じっていて面白いですね。ちなみにルノーでは「ゼン」以上にはヒルアシストが付き、「インセンス」以上は特注シートになり、「GT」以上ではエンジンが変わります。
2ペダルなのにヒルアシストが必要なのがちょっと面白いですけども、トルコンAT車でも急斜面で立ち往生して再始動するときに左足ブレーキを使ったりして脱出します。クリープが斜面に負けてフットブレーキ無しには下がってしまう状態の時です。DCTだとクリープが無い上に、初動がモタついたりするので、ルノー車もPSA車もVW車もかなり操作が難しくなります。それを考慮してなのか、PSAは一部の廉価グレードを除いてトルコンATに置き変わりました。ちなみにヒルアシストが無い「アクティフ」が設定されているのはルーテシアとカングーのみで、カングー・アクティフは6MT(3ペダル)です。
ルノーもさっさとゲトラグ製DCTをやめてアイシンAW製トルコンATにすれば、老若男女問わずに扱える車になってさらなるシェア拡大につながるかもしれないですが、あえて不器用なDCTを使うことが輸入ブランドっぽくていいかなー。PSAやフィアットの自社製DCTとは違って、ドイツの名門サプライヤー・ゲトラグのライセンス品を購入して使っていて、なかなか洗練されているVWのDCTと同等以上に使いやすいです。最近では軽自動車に使われるスズキの5AMTが非常に仕上がりが良く、日本メーカーが軽量化目的で本気で取り組んだら、まだまだ繊細でいい仕事をするんじゃ無いか?という気がします。
またDCTには軽量化と共に省スペース化というメリットがあって、トルコンATをインパネのすぐ裏の下部に押し込むBMWなどは右ハンドル車の足元を思いっきり圧迫してます。それより圧倒的に小さい設計のトゥインゴでは、それほど足元スペースがタイトな印象はないですが、これはMT/DCTの恩恵が大きいですね。もっとボデーの大きいメガーヌやキャプチャー、カングーでは、横置きトルコンATがあってもいいかも。某技術系雑誌の特集によると、横置きATの二大派閥になっているアイシンAW(6AT/8AT)とZF(9HP)では、9HPが100km/h走行時で1300rpm程度で走れるようなので、高速巡航車としては9HP装備車は狙い目みたいです(レンジローバー・イヴォーグやジープ・チェロキーなど)。
間違っても高速道路を長距離巡航なんてしないトゥインゴにとっては、ミッションもユニット(0.9L自然吸気・71ps)もバランスが取れたグレードがラインナップされていると言って良さそうです。71psだと最大64psの軽自動車と大して変わらないスペックですし、実際にボデー重量も考えると、MTが用意されているアルト・ワークス(151万円)の方がパフォーマンスは優れているでしょう。しかもスポーツシートまでついてくる。けれどもトゥインゴ・ゼン・6MTは、自然吸気で71psをひねり出しているワンランク上のエンジンが載っていて、しかもFFと比べても互角以上にトラクションがかかりやすいRR・・・これならば171万円でも十分にお買い得だと思いますね。
欲をいえば、インテンス・キャンパストップという最上級グレード199万円、おそらくこれが日本でも売れ線なんじゃないかと思いますが、キャンパストップとMTが組み合わされたモデルが買えるといいですよね。まさか「2台」購入した!!なんていう「トゥインゴ・LOVE」な人もいるのかな!? そしてさらにラインナップが増える可能性が高くて、「GT」と「ゴルディーニRS」の2段階のスポーツグレードが追加されそうです。先代トゥインゴもゴルディーニRSだけが245万円で日本に導入されていました。1.6L自然吸気(138ps)で車重1010kgというスペックだけ見ると、惜しまれつつ生産中止になったスズキのあの看板モデルと瓜二つですが、新型スイスポは1.4Lターボになるそうなので、このスペックのままRRとかなると貴重ですね。
欧州ですでに販売されている「GT」は0.9L直3ターボ112psというスペックです。エンジンがそのままでターボ過給圧を変えているだけです。しかも海外レビューが結構ボロクソに言ってますね・・・。もしかしたらこのRRシャシーは直3クラスの小型エンジンしか搭載不能なのか!?確かにハッチバック開けて底がやや高めのラゲッジスペースの床をめくると、そこにエンジンルームがあるのですが、普通乗用車のものとは思えないくらいに狭いですね。けれどもハコスカ時代のGT-Rのエンジンルームを去年見る機会がありましたが、カバーなどない時代のエンジンなんてほんとに小さな金属の塊に過ぎないので、無理ということはないでしょうけどね。