トヨタとテスラは裏で繋がっている!?
スバル、BMWとの『コラボ』、マツダとの『対等同盟』など競合メーカーとの提携で、何やらイメージアップを果たしていて、なかなかの『業界フィクサー』ぶりを発揮するトヨタ陣営ですが、現在進行中の最大のプロジェクトは、トヨタ、テスラ、ロータス、ボルボの4メーカー共同による、『ラグジュアリーEV市場の制圧』にあるようです。
日本でも見かけるようになったテスラ。ナスダック(新興ベンチャー向け市場)に上場してますが、時価総額がフォードを超えたと話題のメーカーなんですけども、2012年以来5年連続で赤字を叩き出し続け、2019年度に黒字化する方針だとか。ちなみに2016年単年の営業赤字が652,000,000ドル(約700億円くらい)。日本市場だったらとっくに上場廃止になるレベル。アメリカ人投資家って優秀なのか!?それともバカなのか!?
トヨタなんて1年赤字を叩いたら経営陣がガラリと変わって、アナリストも大騒ぎしてましたけどね。最もトヨタとテスラでは企業としての立ち位置が全然違うわけですが、この2つのメーカーをミックスさせてリスクヘッジを行うところがビジネスなんでしょうね。そのアイディアはイーロン=マスクと豊田章男の合意によってものすごいスピードで実現して、2010年から2014年まで提携を行なっていました。
その当時の提携によって作られたEVはアメリカでも非常に評判が悪く、販売は低迷したようですが、この経験がその後テスラとトヨタがそれぞれにEV開発のリソースとして蓄えただけでなく、テスラは創業間もない時期を乗り切るパートナーに世界有数の相手を選ぶことができて、トヨタもアメリカでバッシングが強まっていたことから、アメリカ企業との提携でイメージ改善という良好な結果を得ました。
不思議なシンクロ!?
この4メーカーはトヨタグループを軸にして複雑に提携をしていて、トヨタとテスラだけでなく、トヨタとロータスはエンジンの供給関係。トヨタとボルボはデンソー&アイシンなどのトヨタ系サプライヤーを通じて連携しています。
さらにロータスとテスラには、『テスラ・ロードスター』を共同で開発した実績があり、2世代目のテスラ・ロードスターも世界最速を視野に入れたスーパーEVとして開発が進んでいるのだとか。そしてロータスは今年(2017年)になって親会社が中国の吉利汽車になりましたが、吉利はボルボの親会社でもあります。そして先日にはボルボからEV専門ブランドとして誕生した「ポールスター」が600ps級のスーパースポーツEVクーペを公開しました。中国資本のスピード感覚は恐れ入りますが、シナジー効果がありそうな見事なM&Aかも。
テスラ ロードスター 新型、米国ベース価格は20万ドル 2020年発売予定 https://t.co/l4OAC1ocko
— CARDRIVEGOGO (@cardrive55) 2017年12月14日
ボルボとは違う? 高級PHEVクーペ「ポールスター1」のデザイン[写真蔵] https://t.co/7m5ECvXcVg
— CARDRIVEGOGO (@cardrive55) 2017年12月14日
ポールスターはテスラに対抗!?とかカーメディアに書かれてますけども、根っこではつながっている!?しかもこのグループにはドイツメーカーが入ってない!? ドイツ自動車産業を出し抜いて、米中日で枠組み(規格など)を作ろうという狙いもあるのかも。VWグループと、ダイムラー(メルセデス)に主導権を取られつつあるルノー日産から、eゴルフ、リーフといったEVモデルが発売されていてドイツ勢が先行しているように見えるけども、5年後には全てが逆転している可能性もあります。
そーいえば、今年のカーオブザイヤーは・・・
2017年によく売れたクルマといったら、トヨタC-HRが思いつくのですが、日本カーオブザイヤーでもRJCカーオブザイヤーでも全く有力候補にもなっていません。とっても謎が深まるばかり。まだ発売して間もない段階で、売れているのか売れていないのかもよくわからないカムリがトヨタ車としては有力候補になっていました。300万円もするのに、1月からコンスタントに10000台/月以上を売り上げたC-HRに対して、400万円のカムリは9月10月と3000台ずつの出荷。
トヨタとしてはカーオブザイヤーに、これからさらなる販売が見込まれるカムリの宣伝を期待したいところですけども、その想いは選考委員にもよーく伝わっているようです。以心伝心。・・・でRJCの輸入車賞をボルボV90が獲得。さらに日本COTYをボルボXC60が獲得。ボルボジャパンにとっては確かな利益が出せる2モデルがとても都合よく別々に受賞しました。やはりボルボの願いも選考委員には、よーく伝わっている。
ロータスもボルボも5年前には倒産するのでは!?なんて囁かれていたブランドです。そしてテスラも累積赤字を垂れ流して、他のEVベンチャーのように志半ばで消える運命だったはず・・・なんですが、これらが揃って好調な2017年を迎えているとは、5年前の段階では誰に想像できたでしょうか!?
アウディがヴァンケルロータリーをレンジエクステンダーに使ったEVの開発・実用化を目指して、VWもポルシェも電動車両の発売を掲げ始めた時に、都合よくスキャンダルが騒がれるなんて・・・。日産がノートe-POWERというシリーズHV車をヒットさせ、さらにピュアEV・リーフの航続距離/デザインを一新した新型モデルを発売しようとしたタイミングで、またまた都合よく起こるものですねー。もはや神のご加護としか思えない、ロータス、ボルボ、テスラの歩み。そして神とはトヨタ!?