今回はいわゆる『出オチ』なクルマばかりを選んでみました。別にバカにしているわけではないです。出オチというのは、見た目のインパクトが非常に強く、最初に見たときになんだか不思議な気分にさせてくれる稀有なクルマという意味です。各車のデザイン担当はメチャクチャ頑張って世界に十分にアピールできるいい仕事をしていると思いますし、そういうクルマであることを基準に選ばせて頂きました。この5台を選ばれたオーナーの皆様はお目が高いと思います。
第5位 プリウス(242万円〜)
最初の印象は「エコカー版のフェラーリ」。もうそこしか狙ってないだろ!!ってくらいに3BOXなスタイルを崩して幾何学的な断面が様々な表情を見せつける。イタリアのカロツァリアに委託したデザイン!!だとでも言い張っていれば、ほとんどの自動車ライターは黙っていたはず。それが社長自ら「プリウスはカッコ悪い」と言い出すのが今のトヨタの面白いところです。
とにかく意図的に好き嫌いの激しいクルマを作る。グローバルメーカーの中でもトヨタ車のレパートリーの多さは有名ですし、コンパクトカー、セダン、ミニバン、SUVに至るまで松竹梅に分けたきめ細かい設定。プリウスだけでも『ノーマル』『α』『PHV』でデザインが大きく違う。全てのラインナップを個性的に作っておけば、どれか一台くらいは気に入るモノが出てくる。まるでどっかのアイドルグループの戦略。そんな『TOYOTA48』の絶対エースはこの『プリウス・ノーマル』。
第4位 コペン(187万円〜)
発売からもうだいぶ経つような気もしますが、こちらはGT-Rをうまくコピーしてきました。GT-Rは速さ自慢のスポーツカーなので、おそらくロードスターは出ない。もし出てきたら日産も変わったなー。代わりにダイハツが作りました。ちゃんとハードトップになっていて、青空駐車場でも全然OK。しかもボデーパネルは簡単に(10万円以上のコストはかかるようだが)交換できるらしい。
あとは日本中がアメリカンなライフスタイルを呑気に謳歌するようになれば・・・。世界最大のオープンカー市場といえばアメリカですが、そこでは主に女性のショッピング用のクルマとして大活躍しているらしい。人気なのは、フォードマスタング、日産フェアレディZ、マツダMX5(ロードスター)辺り。しかしセレブの間ではポルシェ911、メルセデスSL、テスラロードスターなんてのも定番なんだとか。・・・そんなライフスタイルもいずれ日本に入ってくるのかな。しかしまだまだ市場の反応はオッサンメインとのこと・・・。
第3位 スイフト(134万円〜)
先代のスイフトはキャラにハマったシンプルでスタイリッシュなデザインでとても優雅でした。そこからどんな紆余曲折があったのかわかりませんが、なぜダイハツ・コペンみたいなグリルデザインを取り込んでしまったのか!? 先代マーチ、先代/現行デミオが示した『小動物ペット』みたいな雰囲気が出せる表情豊かなフェイスは、女性ユーザーにアピールする意味でも外せない要素なんでしょうけども、どうもクルマ全体が『厚ぼったい』ように感じる。
フラッグシップセダンのキザシと、3ナンバーサイズのSUVであった旧型エスクードが相次いで無くなったので、乗用車モデルではこのスイフトがフラッグシップを担うようになったからゆえのちょっと浮いた重厚感なんでしょうね。お手本としてMINIのような「コンパクトカーでのプレミアム」路線を狙った戦略でしょうけども、まだまだスイフトのキャラには馴染まない・・・。でも日本メーカーのBセグ車としてはなかなか存在感あります。
第2位 ハリアー(294万円〜)
トヨタがアメ車デザイン(アメリカではレクサスRX)のまま出すことで人気だったハリアーの3代目。これまた期待を裏切らないアメリカンテイスト満点な存在感を発揮してます。あれ!?レクサスRXは別のデザインですでに発売されていたはず・・・この3代目ハリアーはなんと!!国内専売モデル。日本人にアメリカを感じてもらうために必死でデザインしました!!という愚直な感じがとても素敵だな。
その風貌は「トヨタが作ったダッジ」みたいな押し出し感があります。八王子(東京都西部)辺りでダッジを転がしている兄ちゃん達に、買い替えを勧めるクルマにちょうどいい!? 2ドアのチャレンジャーは確かに独特の世界観があっていいですけども、ファミリー用の使い勝手などを考えたら、スペース効率世界一のトヨタはベスト。トヨタの高級車が持つ格式と、アメリカな装いをうまくマッチさせた秀逸すぎるデザインが小賢しいと感じる人もいるようだけど、これはトヨタの2010年代ベストデザインと言っていいのでは!?イタリアン・プリウスとアメリカン・ハリアーの二枚看板がトヨタの『ヴィジュアル』レベルを支えています。
第1位 アテンザ(279万円〜)
現行モデル最大の『出オチ』はやはりマツダ・アテンザ。日産のコンセプトカー『エッセンス』(のちのスカイライン)を要領よくパクっただけのデザインなのに、ここ数年でもっともハイレベルだった2013WCOTYデザイン賞のベスト3に残ってしまった!! 大賞こそジャガーFタイプに持って行かれたけども、ベスト3のほか二台はFタイプとアストンマーティン・ヴァンキッシュ。とにかくWCOTYはパフォーマンスカーとデザインカーの2つはレベルが高いです。
日本車で大賞を受賞したのは、日産GT-Rとマツダロードスターの2台だけ。この2台も20年以上に渡って欧州市場でも存在を知られてきた長くて深い伝統があるからこその受賞だと思われる。レクサスLCが出てきてすぐに獲れるものではない(はず)。MAZDA626の伝統を受け継ぐアテンザにも欧州での地盤はあるわけですが、このGJアテンザのスカイアクティブ・シャシーは、アクセラ等と共通で、マツダG系ではなくマツダC系の流れを汲んでいるようで、デザインで注目されるものの、欧州の販売はかなり伸び悩みを・・・やはり欧州市場の目は厳しい。マツダもさすがに改心したようで、先日の東京MSで発表されたビジョンクーペコンセプトは、次期アテンザのFRの新シャシーを予感させるものでしたが、再び欧州市場を熱狂させるMAZDAが帰ってくるのか!?
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NK
マツダとスズキの両社の良い部分をまたしっかり造ってくれる上記2社だと信じてます。
デミオもスイフトもマイチェンでキャラを変えたのも確かに勿体無かった感じも有りますから。