トヨタの2018年は・・・
今年中にクラウンとカローラのフルモデルチェンジが予告されているトヨタ。とりあえず伝統ある車名が消えることはないようですが、どちらも新時代のユーザーに適合すべく、従来のイメージを覆すような歴史的なフルモデルチェンジになるらしい。「若返り」とか表現されるが、要するに長年カモってきたユーザーが免許返納の時期を迎えているので、既存ユーザーを切り捨てて、次の30~40年のためのユーザーを求めたというビジネスライクな姿勢が見え見えだ・・・もうユーザーとともに成仏してもいいんじゃ。
社会的属性によるクルマ選び
『エリート』のためのクラウンと、『一般人』のためのカローラ。これをトヨタが同じタイミングで作るってのがちょっと興味深い。年収1500万円用と年収500万円用をどこで差別化するのだろうか。どちらも所得の3分の1くらいを車両価格として設定しているので、価格差は2倍以上になるのだろうけど、果たして決定的な違いは生まれるのだろうか!? とりあえず中間の年収1000万円の人はプリウスの上級グレードを買うべき!? ちなみに3車ともに『TNGA』採用らしい。FFだろうがFRだろうが『TNGA』に分類されるんだってさ。
トヨタ車が売れる理由
同じプラットフォームを使って、ユーザーの『社会的属性』から明確に区別されたクルマと作り上げる・・・トヨタだけが許された設計手法かも。国内生産車がまだまだ90%程度を占める、世界一閉塞的な日本市場において、その中で1強シェアを誇るトヨタ。日本の労働者を年収で階層化してクルマを作るなんてことが、果たして評価されるのだろうか!? 安倍政権が「非正規という言葉を日本から無くす!!」と仰ってますが、人材の流動化は認めない!!辞めたヤツの受け皿はない!!カローラに乗りたかったらしがみつけ!!みたいな風潮では、新しい日本社会が切り開けるとは思えない・・・再びクラウンとカローラの時代を取り戻すのが内閣の理想なのか!?
日本車売るならターゲット年収を掲げよ!!
これからの30~40年で果たして労働者にハッキリとした階級が存在し続けるのとも思えないのですが、トヨタに限らず、日産もスカイラインは年収1500万円、ホンダもシビックは年収1000万円の人向けと公表したことから、そこそこ安定的に売れていたりする。日本のユーザーってのは「外面」を気にしてクルマを選ぶ。まあこれは否定しない。しかしメーカーに年収1000万円用ですよ!!と言われないと納得できないオッサン達にどんなイマジネーション豊かな仕事ができるというのだろうか!?
社会病理のマーケット
安冨歩という東大教授の本に書いてあったけど、ファッションとは「他人からどう見られるか」ではなくて「自分自身のテンションが上がる」ものを選ぶことが、コンプレックスだか自己嫌悪だかの呪縛から逃れる効果的な方法だと断じていた。・・・でオチとしてその著者の日常のファッションは常人にはなかなか理解し難いものがあるのですが(一言で言うと変質者)。以前にこの教授本人かその信者らしき人から、私のクソブログに風変わりなコメントをもらったことがあった。まだブログを始めた初期の頃に「メルセデスCクラスは女の車だ!!」みたいな乱暴なことを書いたところ、「男性は女性的なものを身につける方が精神的に救われるんだ!!そんなことも知らないのか!!」と罵られた。さすがに「???」となりましたけど、この人の本を読んでわかった!!オッサンも生きるために必死なんだなーってことが。
オッサンは疲れている
しかしどうやら間違っているのは私の方であって、「Cクラスは女のクルマだ!!」と断言しておきながら、「トヨタの社会的レイヤードなクルマ作りがこれからの日本では通用するはずない!!」と主張するのは確かに少々矛盾が生じている。旧世代に受け入れられたクラウンやカローラによる格付けが、新世代のオッサン達にはあまり通用しなくなり、停滞する社会で心が病んだオッサン達が次々に「魂の選択」と信じて、Cクラスや、ピンクのパッソやオレンジのアクアに好んで乗る時代がやってきているらしいです。その内にハイヒールとか履きだすんじゃねーの!?
トヨタ車を選ぶ人の深層心理
クルマのトレンドはしばしば世相を表すと言われていますが、最大手のトヨタのラインナップは・・・、よくよく見ると現代の社会病理が乗り移っているように感じられる。グローバル車が当たり前の時代に、トヨタだけが普通車の国内専用モデルをたくさんラインナップしているせいもあるのか。アルファード、プラド、ハリアー、クラウンを選ぶ人々は「外面でアピール」することに商品性を強く感じているようで、トヨタもそれをうまく煽るような設計をしている。そしてプリウス、C-HR、ヴォクシー、シエンタを選ぶ人はそれとは別の「社会の抑圧」に晒されているようだ。これらは非常に「無難」な選択だけども、ちょっと背中を押してくれるエクステリアの個性がポイントなのだろう。もう日本市場全体がトヨタの手のひらで転がされている気がしてならない。
スバルとMAZDAがオタクな理由
グローバル車ばかりをラインナップしているスバルやMAZDAにはあまりそういった傾向は見られない。しかし一度スバルやMAZDAを選ぶと、周囲から変なレッテルを貼られたりします。トヨタとは比べものにならないくらいに高い水準の衝突安全性を備えているだけで十分に合理的な選択だと思うが、トヨタを選ぶ連中にそんな考えがあるはずもなく、ネット上でもメチャクチャなこと結構言われているみたいです。
モリゾー社長は全てを解体するのか!?
しかし新しいクラウンやカローラには、そんな病的な国内市場を質的に変えてくれそうな期待がちょっとあります。完全に憶測ですけども、この両者はどうやら「GR」ブランドでの高性能モデルを展開しやすいように、意図的にスポーティな仕上がりになると言われています。なんでもかんでもGRで!!というトヨタの戦略は、ドイツメーカーをお手本にしている部分もあるでしょうけど、従来の日本人の社会的病理につけ込んだ巧みなクルマ作りから離れて、他のメーカーと同じ立場で競争するという意味で新しいトヨタを示唆するものになりそうあ予感はあります。さてこの推測が正しいかどうかは今年が終わることに判明するのでは!?
新型クラウン新情報キャッチ! すでに「GR」の開発が進んでいる!?(ベストカーWeb) – ニュース【新車情報】 – carview! – 自動車 https://t.co/XTR38AOyQF
— CARDRIVEGOGO (@cardrive55) 2018年3月7日
NK
最近まとめから記事を毎日読んでます。
トヨタの新戦略そうであってほしいですね。
最近、スズキのSX4 S-CROSSに乗り換えました、これが非常に良い車なんですよ。
一つの究極論としてその車を好きな理由に理論など無いとも言えますからね。
NK
修正。
SX4 S-CROSSじゃなくて現行エスクード1.6ですね。
なんと言う間違い(笑)。
イメージカラーのあの青色なのですが所有感等もアウトランダーPHEVより有るなぁと思ってます(驚)。
wpmaster
コメントありがとうございます。
スズキは普通車市場で勝負かけてますね。
バブル期並みに多作なので、シャシー、ユニット、グレードがまだゴチャゴチャしてます。
エスクードはその中でも一番高価で、他社ライバルよりも高い?くらいですけど、
デザインも中身もフラッグシップらしい、実はコスパもいいクルマだと思います。