ホンダ・プレリュードとは、1978年に初代が登場した2ドアクーペのスペシャルティカーです。ホンダの技術を盛り込んだ設計は、メルセデスやBMWが全てセミトレで走っていた時代に4輪ストラット化されて登場し、1982年の2代目になると前DWBの後ストラットに進化し、この時にすでにロックアップ式ATを採用(現在の欧州メーカーが未だに作れないのでZFやアイシンから買っているAT)しています。1987年に登場した3代目にはとうとうレーシングカーと同じ4輪ダブルウィッシュボーンになります。
2代目からリトアクタブルヘッドライトのデザインがウケて日本国内で大ヒットしたため、日産がシルビア/180X/240Xの開発に踏み切ります。欧州でも大きな衝撃を与えたようで、日本製の中型車として初めて「欧州COTY」(まだWCOTYはない)のファイナリスト3台に選ばれます。フェラーリと同じ形式のサスペンションを使った日本の乗用車を見て欧州の人々はさぞかしびっくりしたことでしょう。ホンダには「狂気」という言葉が似合う。70年代のCVCCエンジン以来、高回転エンジンは世界を驚愕させ続けたし、シャシー技術、サスペンションなど常に最先端を歩んできた。そして「虚気」は年月を過ぎて「スタンダード」になる。
第5位 ローバー600 (1993〜1999)
— CARDRIVEGOGO (@cardrive55) 2018年3月20日
ホンダアコードをベースにしたOEM車なので、他社がホンダに敬意を示したフォロワーとはちょっと意味が違うかもしれない。80年代の低迷から抜け出して90年代はEU結成など欧州市場の活性化がめざましく、その中でローバーの業績はライバルと比べても良かったらしい。ホンダが自らの技術を欧州のスタンダードにするために、ローバーと提携して「隠れ蓑」にしたという説も。プライドが高い欧州人が日本のクルマなんて買うわけないですから。ローバーが復活して、シビックtypeRが欧州のホットハッチ文化を席巻。高回転ユニット(Vテック)と高性能サスを配備し、フェラーリみたいな乗用車なわけですけども、すでにホンダはフェラーリを潰すためのNSXまで発売済み。
これには欧州自動車産業も縮み上がったでしょうね。ホンダって何だよ!?この前CVCCを作ったと思ったら、スーパーカーまで作り始める始末。ネットで情報がすぐに伝わる現在とは違って、もう「何だ?何だ?」のワクワク感と恐怖感がハンパなかったと思います。ホンダ&ローバーが21世紀まで存続して、容赦無くドイツメーカーと競争を繰り広げたならば、Dセグのグランドツアラーは今よりもさらに発展していたのか!?それとも過当競争で共倒れしてホンダもBMWも消滅しているのか!?
第4位 プジョー407(2004〜2011)
プジョー407 Sport 3.0(6AT)【ブリーフテスト】 https://t.co/btmaNCycEh
— CARDRIVEGOGO (@cardrive55) 2018年3月20日
リーマンショック後に一気にスケールダウンしてしまったプジョー。エンジンで張り合っていたはずのBMWとプジョーが「もう高回転エンジンの時代は終わりだ・・・」と悟って開発費を折半して作った合同ユニットができて以降は、もはや中型車は大きすぎるんじゃないか!?とのイメージすら持たれるようになったプジョーには・・・ちょっと前に『407』と『クーペ407』という中型車の頂点すら見据えた意欲的なモデルを作っていた面影はなくなったかも。
このフォロワーランキングで4位、つまりホンダの分身に過ぎないローバー600を除けば、もっともインパクトが弱い。リーマンショックによってあっさりと北米からブランドごと撤退を余儀なくされるなど、グローバルでのブランディングにおいて、優秀過ぎるプレリュード・フォロワーの中では、ちょっと詰めが甘かったのかも。プジョーもむやみに高級路線を志向していて、クーペ407の日本価格は600万円前後でした。今のプジョーモデルから考えるとちょっとびっくり!!
第3位 アウディA4(1994〜現在)
アウディA4 2.0 TFSIクワトロ スポーツ(4WD/7AT)【試乗記】 https://t.co/N8jOIVS6uU
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1980年に発売されたアウディ・クワトロというミドルサイズ・クーペの進化系なので、プレリュードとはまた別の原点を持っているシリーズです。我々はクワトロを作ったアウディであり、クワトロの伝統=ベストGTカーという、ポルシェにも匹敵する高いプライドゆえに、日本車すべてを上回るミドルサイズカーの最高峰を目指すべく開発をしています。プレリュードが持ち込んだサスペンション革命を認めて、それを飲み込む・・・ホンダごときにドイツが負けるわけがないだろー!!みたいなクルマ好きのテンションが上がる激しい抵抗を見せたのは見事。
ドイツ市場もアウディの頑張りを認め、2000年代半ばにアウディA4は、メルセデスCクラスでも捕えられなかったBMW3シリーズの独走を止めてしまった!!さらにその旧型A4を使ったセアト・エクシオが、2005年にプジョーやマツダなどの大衆ブランドをターゲットにノックダウン生産されると、さらにリーマンショックのダブルパンチを受けて、マツダ、ホンダ、オペル、プジョー、シトロエン、ルノー、フォードのDセグは当たり前ですが壊滅的な打撃を受けます。ジャガーXタイプ、ボルボS60などのプレミアム路線も壊滅。プレリュードが生んでしまったモンスターですね。まさかDセグノ自動車文化を破壊してしまうとは。ただしアウディ独自のフロントサスは、思ったほどスッキリしないハンドリングで、技術的には行き詰まっている気がしますが・・・。
第2位 アルファロメオ156(1997〜2005)
アルファロメオ・アルファ156 2.0 JTSセレスピード(2ペダル5MT)【ブリーフテスト】 https://t.co/MRt7ZEXGk3
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プレリュードにヒントを得て、水を得た魚のように暴れた90年代&2000年代のアルファロメオ。高性能で手軽な価格で「完全武装」した伝統のスポーツブランドという国士無双な状態。売れないわけがない。E46が固めた3シリーズの牙城も落城寸前まで追い込まれるのもわかる。まさかドイツ車がイタリア車に追い詰められるとは、ってのは日本的な見解であって、2000年代前半に日本のユーザーがアルファロメオに熱狂したことで、ドイツ自動車産業に対して、過剰に引け目を感じる伝統的マインド(ジジイの固定観念)を破壊まではいかないけど、ちょっと揺らした。
結局アルファロメオはコスト面で苦しんでリーマンショックを乗り越えるができなかったわけですが、アルファ不在の10年あまりで、再びドイツ偏重を基本フォーマットにしたライターが増えてきたな。さらにやっかいなことに、新生アルファロメオはドイツ陣営に取り込まれたかのように、FR設計に改められ、アルファがBMWの真似をした!!と嬉しそうにレビューする輩が多い。
第1位 マツダ・アテンザ(GG2002〜2008/GH2008〜2012)
評価の高いマツダ アテンザ。何かと話題の初代と現行型に挟まれた2代目モデルを再発掘せよ! https://t.co/9xepJvw62t
— CARDRIVEGOGO (@cardrive55) 2018年3月20日
数あるプレリュード・フォロワーの中で、本家プレリュード以上の大成功を収めてしまったマツダ・アテンザ。アルファロメオの上を行くくらいの手軽価格でスポーティな走りが楽しめるのだから、世界で100以上のCOTYに選ばれたバケモノ級の大ヒットを記録。欧州COTYでも2003年のファイナリスト3台に選出されます。しかしなぜか日本COTYでは評価されなかった・・・。見た目があまりにも前身モデルのカペラに似ていたからか。結局のところ日本のカーメディアはクルマの性能なんてわかってないんだと思う。デザインが同じだったら、中身も同じだろうって・・・これだけの世界的な名車なのに、まともに語れるライターがほとんどいない。
現行GJ型は、プレリュードの伝統を捨てた。車名こそ「アテンザ」であり「MAZDA6」だが、厳密な意味では初代/二代目とは全く別のクルマ。アクセラのシャシーを中国向けにストレッチして使っているモデルが、欧州市場で評価されるわけもなく、欧州COTYからも完全に無視された。しかしRJCカーオブザイヤーでは大賞を獲得・・・本当に日本のカーメディアってのはクルマの良し悪しなんてわかってないんだろうな。早く本物のアテンザが復活することを祈る。
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