ガチのスポーツカーはなんだか高齢者の自己満っぽくて手を出す気にならない・・・といった冷静な若者は予想以上に多いらしく、86やロードスターRFといった世界的に高い評価を得ているスポーツカーが出てきても、なかなかクルマ離れは解消されないですねー。街中でロードスター乗ってるのは、じーさんやばーさんばかりだし、86は・・・年齢にかかわらず〇〇そうな人が多いよなー。ある程度は価格でフィルターがかかるポルシェなら・・・多少は興味はでてくるけども。
スポーツカーだけが全てじゃない!!乗用車にもそれぞれに魅力がある!!ってことを的確に発信できないカーメディアがとにかく悪いのですけど、誰もクルマ雑誌なんて読まない時代になりましたから・・・。コストダウンが酷いスポーツカーや人気のドイツ車なんかにオッサンは群がってますけども、これからの若者にはぜひ『いいクルマがあるよ』ってことが、もっと広まればいいな・・・ってことで、スポーツカー『じゃない』けど、かなりツボに入る良質で満足感が十分に得られるであろうモデルを選んでみました。選考のポイントは、スペック上の「あるパラメータ」において極めてわかりやすい個性が与えられているモデルを中心に選びました。メーカーのエゴってやつですね。まあそれが、走って楽しいっという要素なんですけども。
第5位 スズキ・アルトターボRS (150万円)
スズキといえば清水草一さんやテリー伊藤さんが猛プッシュしている『スイフトスポーツ』なんですけども、このクルマも早くもオッサンの自己満足的なイメージがべったり付いてきてます。ここは変化球で『アルトターボRS』を150万円でどうでしょうか!? 平坦路の『信号GP』でも最近のやる気が全くないメルセデスやBMWくらいなら軽く蹴散らせるはず。軽量ボデーはもちろんですが、今時のドイツ車よりもスズキのシングルクラッチの方がずっとよくできてるから出足が全然違う。フェラーリと同じサプライヤーが開発に参加してますし。ワインディングに『アルトターボRS』が参上したら、ほとんどのクルマが道を譲ってくれるはず。「走れる」クルマが最近はだいぶ少なくなったからなー。
第4位 シトロエンDS3スポーツシック (299万円)
グレード名に『スポーツ』って入っちゃってます。日本ではほぼスポーティなイメージはないシトロエンですが、欧州ではラリーのワークスチーム、しかもチャンピオンチームとして近年まで活躍してました。いかにも欧州車というスタイルの3ドアハッチバック。しかもBMWと共同開発したプリンスエンジンの165ps版が乗ります。車重1200kgは欧州Bセグにしては減量を頑張っています。3ドア&165psというスペックだけでも「あの伝説のクルマ」をちょっと連想してしまいます。日本市場にはなかなかないスタイル。420万円もするアウディS1よりも100万円以上も安いのはやはり魅力です。
第3位 アウトランダーPHEV・Sエディション (478万円)
エクリプスクロスのEデフ機構が組み込まれたAWDが話題になっていますが、それを限界まで制御させるフルバージョンで搭載されているのがこの『アウトランダーPHEV・Sエディション』。見た目はファミリーカータイプのずんぐりしたSUVなんですけども、サーキットで旋回性能を試したくなるスペシャルエディション。最近では日本メーカーのスポーツモデル向けに積極的な展開を見せるビルシュタインが用意した専用ダンパーを搭載(スバルもマツダもやってますけど)。
初代エルグランドなどもそうですが、やや大柄で機動性が低そうなファミリータイプのクルマが、想像を超える旋回性能を発揮してきたら、結構インパクトあります。見た目とのギャップこそが『スポーティ』を感じさせる最大の要素。しかしこの『Sエディション』に配備されるAWDのトラクションシステムは、世界最高レベル!!単なるスポーティでは済まされない、世界が敬意を示す三菱の『メカ性能』を存分に体感できる現役の1台。
第2位 日産ジューク・ニスモRS (346万円)
「ニスモRS」ですから、すでにオッサンのオモチャがコンセプトなんですけども、最近のケチ臭いバブル世代の敗残兵は、200万円くらいの中古のドイツ車を買い漁るのがトレンドで、Bセグに350万円も出したりはしない。Cクラスや3シリーズが新車で買えてしまう価格・・・というジョーク見たいな『ジューク』ですけども、このクラス(Bセグベース)にありがちなボデーがすっ飛んでしまいそうなゆるさもなく、意外なことに静音性もVWゴルフまではいかないですけど、BMW1er、3er水準には達しています。3erよりも大径の18インチを履いているのにこれは立派。
『スポーティ』とはなんぞや!?に対して、ジューク・ニスモRSの回答は、『エンジン』『シート』『ミニマニズム』であり、その3つを支えるために必要な『車体剛性アップ』。日産らしいそつの無い方法論を突き詰めたコンプリートモデルになっています。同じ価格で買える3erやCクラスを上回る216psにチューンされた1,6Lターボに、トラクションをしっかり確保するためにトルクベクタリングのAWDシステム、Bセグながら3erと同じフロントがストラット、リアがマルチリンクのサスペンション。走りが好きな人にとっては納得の内容だと思いますね。
第1位 アルファロメオ・ジュリエッタ・ヴェローチェ (424万円)
アルファ伝統の1750TBを搭載した横置きFFスポーツ。自然吸気エンジン並みの5750rpmピークの『ショートストロークターボ』。これに乗ったらもうドイツのFF車なんて「〇〇専用」なんだってよーくわかります。やっぱりエンジンにこだわってこそアルファロメオであり、裏を返すと、現状のラインナップでは『ジュリエッタ・ヴェローチェ』『ジュリアQV』『4C』以外はアルファロメオではない。
エンジン一つまともにつくらなくなったドイツメーカーに対する最大のアンチテーゼは、アルファロメオかジャガーだと思う。しかしジャガーのスーパーチャージャーをまともに新車で買えば1000万円コース。ジュリアQVや4Cもポルシェが買えちゃうくらいの出費を余儀なくされる。400万円台のこのジュリエッタ・ヴェローチェは非常に貴重な存在。