21世紀に入り経営がなかなか安定しないマツダですが、最近では例えばレクサスみたいな建物のディーラーを作っただけでなぜか大ブーイングだったりと試行錯誤が続いているようです。レクサスディーラーの佇まいは、個人的にはあまり満足度が高いとは思わないです。黙ってお茶を出してくれればいいのに、都内のどこにでもあるような喫茶メニューが甲斐甲斐しく出てくる(選ぶの面倒)。『オーガニック・オレンジジュース』とか書いちゃってる品性の無さにちょっと呆れます。なんだろな、あまりクルマ買いたいと思わないんだよな〜。もっとも車両価格がヤバいってのもあるけどさ。
ディーラーの店構え、接客、クルマ、価格を全てひっくるめて、人生の時間をお金を使う場所として、なかなかの重要なポジションを占めています。車検、定期点検、タイヤ交換、オイル交換、ちょっとした破損部品の発注など含めると、散髪屋に行くのと同じくらいの頻度です。クルマ選びと同時にメーカー(ディーラー)選びもライフスタイルの充実には必要だなーってのはつくづく思う。でもレクサスは・・・。まあ趣味の問題ですかね。老夫婦がラウンジみたいな場所でゆったりしている光景を見た時は、50歳超えたらレクサスなのかなーという気がしました。
所有していて『全く気分が良くならないクルマ』ってのは、日本の税制や稼働環境を考えると、もはや『不要』って決断されても仕方ない。完全にクルマ社会そのものに飽きているユーザーに、何か『オルタナティブ』なものを提示できているブランドだけが、しばらくは500万台は維持されるであろう日本でシェアを伸ばしていきそうな気配ではあります。『オルタナ』って何だよ!?って人もいるかもしれないけどさ(ググれ)、アイフォンが日本で売れてきたけど、アップルやアマゾンこそが『オルタナ』的な事業者です。ここ数年の展開で『オルタナ』に徹することができている『メルセデス』あるいは『シトロエン』『ジープ』などの輸入車ブランドがもっともっと伸びる!?・・・いやいや日本にも『MAZDA』があるぞ!!ということで『オルタナ』視点でマツダの歴代名車を5台選んで見ました。
第5位 CX5(2012年)
現行マツダラインナップにおける、最大のヒット作ですが、単独モデルで十分に採算が取れる年間40万台を短期間で突破。完全にプリウスは超えてしまった〜!!! 2018年1月の輸出台数は32,350台!!!前年比なんと115%増です、3桁増です!!!もう完全に頭おかしい!!! マイナーチェンジ実施で国内販売も再開されるので、月産40,000台規模になる予定。日本でもっとも多く作られているモデルになってる!!ランクルもN-BOXも敵じゃねー!! さらに2021年にはアメリカ・アラバマ工場で現地生産(年15万台)も開始される見込みで、アメリカでの販売を40万台まで伸ばす計画を発表。もし短期間で実現すれば、メルセデス、BMW&ミニを追い抜き10位にジャンプアップ。さらに9位VW&アウディ、8位スバルも完全に射程圏内に。EVも合わせて現地生産化によってT大統領リスクもだいぶ軽減されそうだ。
ニューモデルマガジンXが★2つにして酷評したCX5が世界のトップに一歩一歩近づいている。北米輸出が昨年比で48%増、オーストラリア輸出も60%増。なんでこんなに売れるの!?2012年の初代発売時には、エクストレイルやフォレスターとSUV人気を分け合う地味なモデルだと思われたし、マツダらしい『走り』のイメージもやや希薄。さらにマツダらしい『安全性』も北米トップセーフティをマツダ車で唯一逃すなど、ズボラな点を見せていたけども、マツダの価値は『走り』でも『安全性』でもないところにあったようです。実にオルタナティブな存在!!マツダ車の中で最もスムーズに受け入れられるファミリーモデルであると同時に、豊かなライフスタイルも見える。マイホームにCX5という構図が、『日本の幸せな風景』として選ばれた・・・。
第4位 MPV(1990年)
マツダのスポーツモデルのような『華奢』で『美』を強調したスタイルとは真逆。これは一体どこのクルマだ!?知らない人が見たらアメ車だって思うのかな。トヨタ、ホンダのミニバンのような外壁の薄さは全く伝わって来ない。強いて言えば三菱デリカD5みたい。骨太なデザインは、確実にマツダの他のモデルとは別の客層をこのブランドにもたらしたよ。アクセラ乗ってる人々とはまるで別。300万円を国産車にポンと出せる人々。それが今のCX8のスマッシュヒットに繋がっているの!?
第3位 5代目ファミリア(1980年)
この5代目ファミリアがおよそ40年前に何を変えたのか!? 70年代と80年代で面白いくらいに断絶されている日本車デザインの「非連続性」を象徴する1台。ルノー・サンクとジウジアーロが手がけた初代ゴルフが原型で、欧州戦略を考えたマツダがトレンドを愚直に掴んだだけですが、日本の自動車産業全体がひっくり返ってしまったんですね。当時はすでにホンダがCVCCエンジンで世界に認められつつあったけども、アメリカが自動車生産では世界ナンバー1を続けていた。この直後に日本生産がアメリカを超え、ドナルドならぬロナルドという名の新大統領が就任と同時に「アメリカンファースト」ならぬ、日本メーカーへの厳しい態度を示し、輸出の自主規制が・・・、その政治主導の愚かさにブチ切れたホンダは、北米のバイク工場で四輪生産。資本がなかった東洋工業はMMAなどの合弁で対応するも北米軽視が仇となってホンダとの差は決定的に・・・。
第2位 初代デミオ(1998年)
21世紀マツダの波乱万丈を予感させる世紀末のヒット作。90年代の日本車を象徴するような存在だった富士重工の「アノ」クルマをもっと手軽なサイズにした感じです。「ミニワゴン」という謎のカテゴリーは、気がつけば別の日本メーカーがかっさらっていきました。2001年に初代フィットが登場。3代目の現行モデルは、最強すぎるミニワゴンへと完成度を高めています。今ではもう免許取ってから返上するまでフィットだけでいい!!って人もいるくらいにファンが多いクルマに成長しました。2代目以降のデミオの方針転換はやや悔やまれますが、3代目ではWCOTYを獲りましたし、日本じゃなくて欧州向けという選択は尊重されるべきですね。
第1位 ボンゴフレンディ(1995年)
これは『オルタナ』とはちょっと違うかもしれないです。なんというか、極めて『ドラえもん的』な発想のクルマだなー。メッセージは『キャンプしましょう』以外の何物でもなく、決して『ホームレス』『ヒッピー・ムーブメント』『ジプシー(ノマド)』を推奨するアバンギャルドな存在ではない。もしかしたら開発者の頭の中には、広島県の人が山口県にキャンプに行くくらいのイメージだったのかもしれない。雪とか降ってきたらどーするのだろうか!?
マツダがさらにディーゼルの魅力を発信したいなら、ボンゴ・フレンディーの復活があってもいいかも。とにかく重量がかさばるファミリーバンにさらに特装するモデルには、ディーゼルがぴったりなはず。ボンゴ・フレンディーやMPVの後継車を模索してたどり着いたところがCX8なのかもしれないが・・・。
最新投稿まとめブログ