ソニー、セイコー、ホンダと言われるのはなぜ!?
前回はMAZDAでしたけども、やはり世界最高のオルタナ・メーカーといえばHONDA。アメリカ人がホンダを好きな理由ってそんなに単純なものではないと思うけども、ソニーやセイコーと並んでアメリカ産業のタイムラインとシンクロした日本企業として、アメリカの国益に叶った存在ってことなんだと思う。トランジスタ、クオーツ、CVCCこれらは『機能』なんてとぼけたものではなく、産業の淀みをブレークスルーさせる『発明』ですが、なぜか日本のユーザーには馴染みがあまりない。日本人は1930年代からラジオ持ってたし、腕時計は欧州文化だと思っているし、CVCCは護送船団の官製日本市場には全くインパクトは与えなかった。
ちょっと不思議に思うのだけど、なぜバブルの日本で、スティーブ=ジョブスを超える逸材は出てこなかったのか(もしかしらた居たのかもしれないけど)!? もうこの事実だけで日本の戦後教育は否定されつつあるし、大学なんて要らないと放言する『ブタ』を信奉するオカルトが幅を利かせている。HONDAより食べログが評価される日本・・・終わっている。大学はいらねーと言っている有名人は進化版の「食べログ」を作っているらしい。テレビにインスタにユーチューブ、そしてブログ・・・ステマ天国に成り下がった日本に嫌気がさしている人はHONDAを買えば良いと思うよ、アップル製品を初めて手に取った時の感動が得られるのでは!?
第5位 オデッセイ (1994年〜)
キャッチフレーズは『BMWのように走るピープルムーバー』。名門ブランドを小馬鹿にしたようなコンセプトだけども、実際にホンダの開発主査の人も言っていたが本気でBMW5シリーズをベンチマークしたらしい。日本でもアメリカでもよーく売れた。RA型(初代/二代目)、RB型(3代目/4代目)を通じて、5シリーズ並みの走り、静粛性、フラット感の追求が行われ進化が行われた。BMWのようなグランドツアラーの走りを持ちつつ、ピープルムーバーとしての利便性も両立させる難しいミッションに挑んでこそホンダの存在価値が生まれる!!と考えるらしい。ただめちゃくちゃに触れ回るのではなく、裏付けもある。プレリュード/アコードで使われていた4輪DWBシャシーにVテックが載れば、ひたすらにヘビーなBMWよりも快適に走ることができるという信念が、多くのユーザー獲得に繋がった。
オデッセイの開発主査を務めた人は今ではホンダをやめて、BMW2シリーズ・グランツアラーに乗っているんだってさ。なんとも奇妙なことにオデッセイの乗り味によく似ているそうだ。このインタビューにはもう一つの真実が暗示されていて、2シリーズアクティブツアラーに使われるBMWミニのFFシャシーは元々はホンダとローバーの協業によってベースが作られたものである。おそらく元・開発主査も意図的に言っている。「技術の窃盗」と言われても仕方ないやり方だったからさ。FFのBMWとMINIに乗っている輩は、間違ってもホンダ車をバカにしてはいけない・・・。
第4位 ヴェゼル (2013年〜)
たった1台で日本市場を『再定義』してしまった。決め手は『心地よいボデーサイズ』と『秘めたる存在感』。実車を見ると開発者が狙い通りの良い仕事をしているなーと素直に感じる。ほとんどのユーザーが「傑作オーラ」を感じ取って購入を決めたはず。Bセグながらリアシートも十分に使える広さが売りのフィットがベースになっているので、運転席に座った感じは視点がやや高めだけどタイト。リアシートは不思議な開放感がある。さらに嬉しいのはグレードにもよるのかもしれないが、ステアリングなどの硬質樹脂素材がいい感じの質感を出している。メルセデスやBMWと同じ。
コンソールのデザインもいい。HVなら「Sモード」の走りが楽しめる。DCTもいい感じの直結トルク。ベースはフィット=コンパクトカーだけども、多くの要素でそれを覆しているけどアウディの手法に似ている。アウディにフィットと同じBセグのVWポロをベースにした『A1』というモデルがあるけど、フィット:ヴェゼルHV、ポロ:A1の関係をかなり意識していると思う。ヴェゼルHVもA1も250万円〜の設定なのに、販売はヴェゼルの圧勝。フィットよりポロがいい!!とカーメディアは口を揃えるが、フィットは北米でも売っている『メジャーリーガー』なのに対して、ポロは日本ではそこそこ知られてるけどせいぜい『六大学』レベル。『まーくん』と『ハンカチ王子』くらい違うって。
第3位 CR-Z (2010年〜2017年)
ハイブリッドカーとスポーティカー、そのどちらにも共通して歓迎される要素が『軽量化』だと、どのメーカーでも気づいているけども、それを製品化する推進力を持っていたのはホンダだけだった。ホンダ式のマイルドハイブリッドは、ライバルメーカーのメディア戦略に嵌って衰退したけども、『モーターアシスト起動』と『回生ブレーキ』だけあればメリットは十分にある。しかしカーメディアは『EV走行』ばかりに注目して論を展開する偏見を伝えてきたこともあって、CR-Zの価値は十分に理解されていない。
このクルマは低燃費を目的としたものではなく、『電動ターボ』を意図しているのでモード燃費はそれほど高くない。それなりのバッテリー&モーターを積んでもなお1100kg台に収めてスポーティな走りに落とし込む『本質』を理解しているユーザーにとっては最良のパートナーになるはず。同じ『電動ターボ』発想のスバルは、縦置き水平対向エンジンゆえに車重を落とし込むことができない。FF、ミッドシップ、RRの横置き設計に向いたスポーツカープラットフォームだ。最近のMCでバッテリー搭載位置が改良されて走りが洗練されたフィットの設計を使った『CR-Zリベンジ』を期待したい。
第2位 インテグラ・タイプR (1995年〜2005年)
頭文字Dにも登場した、ホンダのスポーツクーペです。NSXやS2000といったRWDシャシーを使ったホンダの専用設計スポーツカーと同時期のモデルゆえに少々地味な存在ですが、全てのホンダ車が妥協なきスポーティを求めた結果、FFのセカンドライン乗用車であるシビック/インテグラにも、フェラーリに匹敵する、Vテック&4輪DWBが採用されます。世界中のメーカーが『ホンダは頭がイカれている』と呆れたけども、そりゃ世界でバカ売れしますよ。アップルみたいな現象を起こしますよ。英国メディアだって、ポルシェ996ターボ、フェラーリ360モデナの次にインテRをランクインさせたくなるのも当然だ。志が全然違うもん。あの日のホンダに回帰できるならば、再び世界は熱狂するんじゃないかと思うけど・・・。
第1位 プレリュード (1978年〜2001年)
機能性を考えれば2世代目から大きな飛躍を遂げるのですが、まだまだ70年代ルックのままで登場した初代は歴代ホンダ車の中でも最も美しいと思う。ちなみに2番目はフェラーリにデザインをパクられた初代NSX。3番目はBMW5シリーズにデザインを窃盗された2代目レジェンド。しかし初代プレリュードが圧倒的にかっこいい。普遍的な美を手に入れている。このクルマを死ぬまで乗りたいといっているイタリア人のオッサンのインタービュー記事はクールだったな。
ユーティリティを求めるホンダも素晴らしいけど、2ドアボデーで最適化されたFFシャシーにVテック、4輪DWBのフェラーリ仕様が合わさった世界最高のグランドツアラーを作り続けて欲しい。それがインテグラ(シビックのスポーツクーペ)だろうがプレリュード(アコードのスポーツクーペ)だろうがかまわないけど。