フランス車、ニッポンで急加速…個性的なデザイン、SUVなど品ぞろえ拡充で2ケタ成長(産経新聞) – Yahoo!ニュース https://t.co/ETh0E5IzAF @YahooNewsTopics
— CARDRIVEGOGO (@cardrive55) 2018年5月1日
フランス車が好調
このブログでは当初からフランス車を推していたのですけども、気がついたらそんな特色はすっかり薄れて、自動車業界で気がついたことをテキトーに書くようになってましたが、その間にもフランス車の販売が好調らしい。まだまだ日本市場では登録車の約90%を国内メーカーが占めていて、残り10%のうちのほとんどをドイツメーカーが独占、増えたといってもフランス勢4ブランドの合計で0.7%くらいのシェアに過ぎないですが、それでもここ数年(2016〜2018)で発売され、注目を浴びてユーザーを掘り起こした(起こしそうな)個性的なクルマを見てみると、
日本・・・C-HR、LC、ノートe-POWER、リーフ、シビック、N-BOX、エクリプスクロス、CX8、インプレッサ、XV、スイフト、
ドイツ・・・A5、アルテオン、X2
フランス・・・C3、3008、5008、メガーヌ、DS7クロスバック、トゥインゴGT
とても0.7%のシェアとは思えない頑張り。もちろん日本市場向けだけに作っている訳ではないですけども、微々たるシェアで、成長の期待が薄いジジババ主体で、国内メーカーが恐ろしく手強い日本市場に、諦めずに新型モデルを送り込んでくる。思わず応援したくなるのが人情ってもんだよ。
ルノーの日本ラインナップに制約はあるのか?
日本市場だけでなくグローバルでも成長著しいルノー。ちょっと残念なのは日本で3月に販売されモデルのうちで約半分がトゥインゴってこと。まあそうだよね。日本の道路狭いし、建売の住宅についてくる駐車スペースも狭いし、同じくタワマンの立体駐車場も狭い。これじゃアメリカサイズになったセダンではなかなか売れない。カムリHVも大ヒットとまではいかなかった。ルノーは最初から日本市場の本質的欠陥を見抜いているようで、フラッグシップになるタリスマンを日本には入れていません。一説には日産との関係から、日産の主戦場になるミドル〜フルサイズのセダンは道義上投入できないとか。日産は目下のところ日本で絶好調で、3ナンバーはセレナ&エクストレイル、5ナンバーはノートだけで日本での実績のほとんどを稼いでいるので、タリスマンを売っても良さそうだけど。
A110が追加される予定
ルノーと日産の関係を整理すると、ルーテシア(ノート)、キャプチャー(ジューク)はモロ被りなんですけども、メガーヌに対応する日産パルサーは日本にはなく、日産シルフィに相当するメガーヌセダンは日本未導入。新たに発売されたばかりのカジャーは厳密にはエクストレイルの兄弟車ではなく、キャプチャーとコレオス(エクストレイル)の中間に位置するSUVで日産に対応モデルはなし。その他トゥインゴとカングーは日産との共同設計モデルではないです。確かにうまくラインナップをいくらか調整してはいるようだ。日本市場のユーザーにとってはフランスナンバー1ブランドの全貌が見えにくいちょっと歯がゆい状況ですが・・・。
ルノー幹部が日産車をディスったのは本当!?
ニューモデルマガジンXの座談会で最近よく使われるネタが、『ルノーは日産の製品に対して様々な苦言を呈している』という話。奴らによって意図的に尾ひれがつけられて、日産のクルマ作りは終わっている!!というオチに結びつけるわけですが、ルノーの海外モデルってそんなにスゴいですか!? 欧州市場でルノーがブレイクしているのは、ルーテシア&キャプチャーのBセグコンピ。これはフランス国内では『乗用車』『SUV』それぞれの部門で不動のトップの座を獲得しているようですが、他のモデルが不自然なほど売れていないです。
販売台数ナンバー1を作る意義
日本市場にも日産車とモロ被りなのに、ルーテシアとキャプチャーを送り込んでくる『特殊オペレーション』は、ルノーグループの生産事情に深く絡んでいるのだと思います。新興国においてはこれからAセグからBセグへと市場拡大が見込まれていますが、そこで『欧州ナンバー1』の看板とともにルーテシア、キャプチャーを送り込めれば、グローバル戦略で有利。故にルノーは『傾斜生産戦略』を導入し、アンバランスなほどにBセグに生産資本を集中投下しているのだと思います。よって必然的に世界3位の日本市場にも導入されるわけです。
3代目ルーテシア(クリオ)は駄作ではない
狙い通り欧州市場全体でも、ルーテシアがVWゴルフについで第二位のポジションを占めています。Bセグではポロを大きく上回ってトップです。こういうことを書くと、オッサン・コメンテーターに粘着されるので気が重いですが、ルノーのBセグ車は、2005年の3代目クリオ(ルーテシア)以降に世界基準のモデルへと脱皮しました。日本のオッサン達から目の敵にされていて『駄作』と罵られているクリオ3ですが、このモデル以降ルノー車の衝突安全性が飛躍的によくなります。日産の技術が入ってダメになった!!みたいな印象操作がオッサン世代によって盛んに行われていますが、『不真面目なお役所企業・ルノー』と『真面目なお役所企業・日産』のマッチングはかなり結果オーライだったと思います。
『日産ルノーの小型車の衝突安全性は非常に優秀』を示す動画リンク
ルノーと日産が組んだ意味
ルーテシアのルーツとなっているのは、1972年登場のルノー・5(サンク)と、1982年登場の日産マーチです。ルノー5は、発売まもなく欧州で大ヒットしたため、ドイツの『お役所メーカー』が早速デザイナーにジウジアーロを仕立ててパクリます(しかもヒットさせる)。82年登場のマーチもそうですが、80年発売の5代目ファミリアなど、80年代の日本車に大きな影響を与えています。あとから登場したマーチですが、メーカー乱立で競争が激しい日本市場において、性能面で最上位にあったとされています。小学校の社会科見学で日産村山工場で作られていたマーチを見に行ったの覚えてます。1990年頃!?だったっけ。
魂を売ったオッサンはダサい
往年のマーチに搭載された先進技術として『ツインチャージャー』があります。スーパーチャージャー&ターボで過給する小型ユニットを日産は80年代に実用化していました。ご存知のように2000年代に入ってこちらもドイツの『お役所メーカー』がやっと技術的に追いついてこれをパクリました。ちゃっかり世界エンジンオブザイヤーとか貰ってましたね。日本のカーメディアは『最先端のエンジン技術』と囃してました(どーせVWからお金をもらっているんだろうけど)。あまりに白々しいのでその頃から清水和夫、岡崎宏司とかポリシーのない大御所ライターが大嫌いになりました。毎月かーアンドドライバーを読みますが、岡崎のコラムにいつもツッコミを入れてます。バーカ、バーカって。
超エリート・ルーテシア&キャプチャー
欧州市場では日仏合作のスーパーBセグメント・ルーテシアに疑いの余地はないようですが、日本市場では色々面倒なことがあります。日産との兼ね合いであまり大々的に売り出してはダメ!?それでもルノーのラインナップで最も生産計画が大きいモデルですから、一定数をコンスタントに売る。できれば利幅が大きい「RS」で売りたいと言う思惑もあるでしょう。・・・でもあくまで想像の範囲での話です。日本市場ではルノーを考えるための材料があまりにも少な過ぎる気がします。今やトヨタ、VW、GMに肩を並べるようになったルノー・日産の多層的経営はあまりに玉虫色です。三菱、ダキア、アフトワズ、アルピーヌなどの傘下ブランドから次々とルノーブランド向けOEMが作られるのでしょうけども、その資本とエネルギーはどこの市場に集中投下されるのでしょうか!? 欧州屈指のベストセラー・ルーテシア&キャプチャーは、新規市場をこじ開けるドリルでしかないのか!? いまいちルノーの『本丸』がどこにあるのかわからない・・・。
ちょっと昔の投稿です。『ルノー・ルーテシアでは日本の峠は無理』・・・これマジでびっくりしました。