日本メーカーはもう終わり!?
ダイハツがトヨタの、三菱が日産の子会社化されても、なお日本には独立系乗用車メーカーが6つもある。しかもスズキ以外の5つは全て、北米販売トップ12に名前を連ねている。中国にGDPで抜かれてそろそろ10年が過ぎ、日本メーカーの技術者は、中国メーカーにどんどん引き抜かれているようですけど、まだまだ日本メーカーが抜かれる気配はないです。
日本車はつまらない!?
『日本メーカーのクルマなんてつまらない』という声をよく聞きます。カーメディア、ネットの掲示板、私のブログにわざわざコメントを下さる方の意見などなど。もう10年以上前から同じように言われてることです。もしこれが本当ならば、日本メーカーはこの10年で状況が相当に悪化すると思うのですが、実際は過去最多販売台数・過去最高益を毎年更新して叩き出しています。『利益ばっかり』という批判もあるけど、利益率を上げるのは高性能車に注力するのが手っ取り早い・・・。さすがに『日本車は燃費ばっかり』という批判はなくなりました。『つまんない』という人にはおそらく見えていないらしい、『透明』の日本メーカーラインナップを紹介します(有名なクルマばかりですが)。
第5位 トヨタ・86 (262万円〜)
もう何度となくこのクルマについて書いてきたけども、「86」が2012年に世界で発売された意味ってのは単純明解だ。トヨタがこれからも世界一のメーカーとしてクルマを売っていく上での「名刺」代わりの存在。1250kg、200psという平凡なスポーツカーを250万円程度で売る。1975年に発売されたポルシェ928にほぼ近似したスペックも狙い通りなんだと思う。トヨタは決して『利益』だけを追求した企業ではありません!!トヨタがトップに立つ世界ならクルマの楽しさは守られます!!「名刺」であると同時に「マニュフェスト」だ。
発売当初からこのクルマに対して様々な意見が出た。批判的なものも多かった。嫌いな人は「俺のポリシーには合わない」くらいに済ましておけばいいものを、ムキになって徹底批判する人も結構いた。トヨタにとっては、自社の評価をあれこれ聞くための商品としては最適だったと思う。そしてクルマ好きな人々にとって、「86」への感情はそのまま自分自身のクルマへの認識を映し出すものだったと思う。 そしてある時にクルマとは自分にとってどのような存在だったのかということに気がつく。
第4位 ホンダ・シビック (265万円〜)
世界の自動車累計販売は、1位がカローラ、2位がシビック、3位がゴルフになるらしい。しかし1位のカローラは地域ごとに設計が大きく違う。日本の輸入車販売1位の車種「MINI」みたいなものだ。昨年日本市場に復帰したシビック。VWゴルフとほぼ同じ価格帯でガチンコにもかかわらず、毎月コンスタントにゴルフよりもよく売れている。絶対に日本では売れない!!売れたら坊主になる!!と意味不明な発言を繰り返していたK沢、O沢の二人の自動車ライターは約束通りに切腹して果てたのだろうか!?
過度にアメリカナイズされた外装は、そこらへんにうじゃうじゃ走っているドイツ車よりもよっぽど「輸入車」のオーラを出しているし、まあ好き嫌いの分かれるデザインです。日本市場と違ってエンジンが選び放題のアメリカ市場ではホンダの価値はさらに上がるので、ホンダには早くこの格差を埋めてくれ〜!!と言いたいけども、typeRに乗ってろカス!!と返事が来そうな感じ。ホンダの設計は「クラス」を逆手に取った下克上がマーケティングの基本なんですが、シビックの設計を使って創造できる限界がtypeRであり、それを超越したスポーツモデルには、根本的に設計を変えるしかないと考えるようで、『NSXの生産』は実にホンダらしい合理的な考え方に由来していると思う。
第3位 マツダ・ロードスターRF (325万円〜)
シビックはガンダム顔ですが、ロードスターはアルファロメオ・ジュリア、アストンマーティン・DB11などと同系統の「深海魚」系。4世代目を迎えるマツダ・ロードスター。1989年以来30年近い歴史を刻み続けた結果、世界各国でファンミーティングが大々的に行われる唯一の日本車!!みたいなポジションを得た。GT-R、NSXはなかなか導入できない地域でも、熱狂的なファンを獲得し続けた結果、中堅規模のMAZDAがCX5のようなポテンシャルの高いクルマを作れば、またたく間に市場に広がる。ロードスターを作るMAZDAなんだからいいクルマに決まってるよ!!と思わせる「マツダの宣教師」ロードスターの30年 の布教は大成功だったんじゃないかと思う。
第2位 日産フェアレディZ (390万円〜)
なぜ日本車はアメリカでよく売れるのか。それは日本メーカーが1980年代以降、常にアメリカ人の理想を叶えてきたから。正確に言えばアメリカの成長の原動力だった「マテリアリズム」は、ほぼそのまま日本のポスト成長期においてもキラキラと輝く「幸せ」と同意義になった。日本メーカーはひたすらにアメリカと日本に共通して存在した「より良い明日へ」を魅せる商品を作ることで売り上げを伸ばした。バブル期の日本メーカーが非日常なスーパーカーへ、結果論として「商圏」をはみ出す事は止められなかったし、日産やマツダのメルトダウンは不可抗力だった。
日本市場でバブル期日産の代表モデルといえば、32〜34にかけてのスカイラインGT-R。しかしアメリカには正規導入はされていなかった。日産本流がアメリカチャンネル向けに作った「Z」に対して、傍流プリンス系が設計・開発を担当する「スカG」は日本向けに作られた。社内政治ってやつですね。市場が違うのだからお互いに不毛な競争はしない。シャシーも別々。まるで別の会社のように仕切られていた。この状況が全く理解できなかったカルロス=ゴーンは当然に両者の統合を指示。
第1位 スバル・WRX (336万円〜)
なぜWRXが1位なのか!?スポーツセダンの単独モデルとして、北米で3000台前後の販売実績。北米でのメルセデスやBMWのスタート地点『30,000ドル市場』でかなりの存在感を発揮しています。北米ではBMWのボトムが『320i』、メルセデスが『CLA250』。つまり両ブランドにとって日本で500万円以下のクルマは北米には存在しません。その価格帯でバリバリ売れているWRXが日本では336万円で買える!!これって結構ハッピーじゃないですか!?
20年間アメリカ、欧州、日本の第一線を走って来たWRXは、1995年のFRポルシェの廃止に伴って主要市場のスポーティなクルマを求めるユーザーを獲得しました。その後2000年代の後半に至るまでランエボとともに・・・欧州でも・・・って話です。FRポルシェも20年で消えましたが、WRXも20年越えてアップデートの時期に差し掛かっているのですが、果たして新世代『SGP』によってこのサイズのままスーパースポーツ級(500ps級)に進化するのか!?
存在X
あれ?2シリーズ、北米で展開してませんでしたか?
wpmaster
240iだけなので320iより上の価格設定です。
存在X
なるほど、FRのクーペ・コンパーチブルのみの展開なんですね。
ひとつ勉強になりました。