中型車の真ん中の真ん中に投下
2007年に「インプレッサWRX」と名乗る最後のモデルが発売されます。同年にはランエボ10、GT-Rが登場し日本のAWDスポーツが世界基準を完全に書き換えた!!とか言われてました。インプレッサWRXは初めて欧州型のハッチバックのみで販売されましたが、セダンタイプ、ワゴンタイプの先代ユーザーがこれを無視したため、後になってからセダン復活を余儀なくされます。結局ワゴンタイプの復活は見送られました。その後アメリカに開発拠点が移され、WRX・S4とレヴォーグが兄弟車のように開発されますが、往年の「WRXワゴン」のファンにとって、CVTターボ専用機のレヴォーグにはやや違和感があったみたいです。
新たなコンセプトカーは、レヴォーグほど長尺ではないために「WRXワゴン」の復活ではないか!?とされています。非常に個性的で素朴な佇まいだったインプレッサ・ワゴンの、絶妙なサイズ感を表現することで、レヴォーグに続くスマッシュヒットを狙っているのだろうか!?新型フォレスターから再び始まったスバル独自のHV「e-BOXER」にはCVT以外にどんなミッションが用意できるのか!?それとも400ps化するのか!?とにかくSUBARUが近々大勝負を仕掛ける事は確かなようですね・・・。ちょっとワゴンが欲しくなった。
第5位 ボルボV60(未発売)
全てを刷新する覚悟
ワゴンの新時代を予感させるハイテク設計で登場した新型ボルボV60。上級モデルのV90同様にフロント横置きエンジン車ですが、フロントサスはダブルウィッシュボーン。技術的アドバンテージで既存勢力(日本車、ドイツ車)を軽く飛び越えようという野心的な意図が伺えます。ミッションもアイシンAWから世界最高水準のものを調達。エンジンも直4ターボ/ツインチャージャにモーターを組み合わせたバリエーションだけですが、同排気量のドイツメーカー、ジャガーのものを超える高性能化を実現しています。「勝つ」ことだけを考えて設計すれば・・・まあこうなるよ。他の日本、ドイツブランドにも良い影響を与えるといいけど。
第4位 マツダ・アテンザワゴン(2018年6月MC)
まさかの不良債権化!?
2回目のビッグマイナーですが、欧州ではスカイアクティブの「ヌルい」設計がバレて、初代、二代目から大きく販売を減らしています。3世代のアテンザの中でもっともワゴンのデザインが優れていると思うのですが、セダンに合わせた車幅拡大が全体の造形をユルくしている気もします。その弱点を補うためにちょっと無理気味の大径ホイールを採用。欧州ブランドの日本向け仕様みたいな19インチを履きこなしますが、「走り」なのか「ラグジュアリー」なのかいまいち方向性が定まらない乗り味もまたタイヤに大きな責任があります。他のブランドの同サイズのモデルでもしばしば起きていることではありますが・・・。
第3位 スバル・レヴォーグ
新時代SUBARUと90年代富士重工のクロスオーバー
グローバル車ばかりのワゴンでは、どれもことごとく骨太で間延びした、少々マヌケな雰囲気になってますが、80年代、90年代の『繊細』なデザイン感覚のまま、2010年代に「タイムスリップ」したようなスタイルが人気の秘密?確かに知的に見える。2Lターボモデルには、スバルが将来的にスーパースポーツ化することが不回避なWRX用の新型AWDシステムが搭載されています。縦置き水平対向のメリットを生かして、FR気味な走行が基本のフルタイムAWDシステム。この技術のポテンシャルを全て解放するならば、ランボルギーニなんて目じゃない・・・。
第2位 ホンダ・ジェイド(2018年5月MC)
ポテンシャル無限大なホンダパッケージ
マイナーチェンジにより2列モデルが用意されたジェイド。ホンダの中型モデルといえば、どれも「走り」は一級品。なんといっても先代は『BMWの走りをするピープルムーバー』と言われた、ヒンジドア世代のオデッセイです。ホンダらしいキャビン作りはそもそも3列ありき。そのスペースにゆったりとリアシートを配置すれば、膝前スペースは、5.2m級のLセグサルーン級。もうお遊び気分で「エクゼクティブ仕様」でも出したらどーだろう。マッサージ機能、リアリクライニング、全席背面にワイド液晶画面、前席コンソール背面部にはミニ冷蔵庫。ちなみにこの車の静粛性はプリウスを余裕で喰ってしまうレベル。レクサスにだって負けていない。新しいワゴンブームを牽引するのは案外このジェイドかもしれない。
第1位 アウディA4アバント
絶対王者の存在感
ワゴンといえばアウディ。WRXワゴンもエボ・ワゴンも欧州市場を牽引してきた『RS4アバント』への接近が契機になっています。2000年以降アウディは急速に上級モデルを増やしたので、A4アバントはブランド内ではちょっと地味な存在になってしまいましたが、アウディの源流こそがこのA4であり、縦置きユニット、4輪マルチリンクサスなど、実力は十分。ボルボV60の挑戦を真正面から受け止められるドイツ&日本車は、技術的にはこのA4アバントだけ。プレミアム中国市場の王者アウディとしては、吉利汽車が背後に控えるV60には絶対に負けられないところ。