TOYOTAのことわかってます!?
トヨタ車ってすごいよねー・・・だから売れているんだろーなという話の続きです。前回はトヨタのヒット車はHVだから売れてるわけじゃねーぞ!! アンチトヨタの「ステレオタイプ」で思考停止な意見に対するアンチテーゼを出したかった。デザインとかマーケティングとか、どこのメーカーでも取り組める領域で、それこそメルセデスやBMWと全く同じの堂々たるクルマ作りの勝負をしていて、そのレッド過ぎるオーシャンにおいてもしっかり結果を出しているだけだと思う。国内外の他社から見れば「死神」だなー・・・。
日本企業はヴィジョンが無い・・・かもしれない
コンサルをリタイアさせられた「使えねー」暇人どもが「日本企業のここがダメ」みたいな内容の本を出してるけどさ、それ日本を代表するメーカーのTOYOTAにもそのまま適用されんのかなー・・・「ヴィジョンが無い!!」「業界シェアナンバー1はヴィジョンではなく目標に過ぎない!!」などと偉そーなこと書いてるクズどもにも反論してみたい(大前研一のようなロートルから、山口周とかいうクソガキまで・・・そもそも選挙に勝てない元コンサルさんが日本企業を語るな!!)。
逆張りだけが勝てる世界
2010年代の「ポスト・リーマンショック」の中で世界のほぼ全てのメーカーのトレンドは「小型化」だったように思う。各セグメントのモデルはそれぞれのニーズから少しずつサイズが大型化はしているのだけど、「ダウンサイジング」の流れで、排気量を抑えるとともに、顧客に小さいモデルへの乗り換えを提案し、ブランドヒエラルキーの重心はどんどん下へ下がっていった。「売れないから『売りやすい』ものを売る」という地獄の競争を、さっさと抜け出し完全に逆張りしたのがスバルとトヨタでした(アメリカ依存度が高め?)。
粉飾決算!?
当然の結果だけどメルセデスやBMWをあざ笑うように「利益率二桁」「単年利益2兆円」とかいうとんでもない数字を出した。周りか勝手に小さいクルマを売ってどーにか売り上げを維持しようとすれば、サイズを変えないスバルやトヨタはそれよりも高い値段で自然と売ることができるから楽だよなー。VW、アウディ、メルセデス、BMW、日産、HONDAは見る影もないくらいにブランドの重心を下げる「地獄の行進」をする中で、スバル、トヨタ、MAZDAは「上」を目指した。
日本に起こった奇跡
2000年代に日本で起こった「リッタカー」のムーブメントは、トヨタ・アクアの奇想天外な戦略と、ワゴンRとムーヴの台頭によってあっさりと鎮圧された。これは日本の自動車産業にとって非常に幸運なことだったと思う。カーメディアはアクアやノートe-POWRをガラパゴスとか書くだろうけども、アクアもノートも北米で売っているメジャーリーガだけど、欧州のBセグで同じ土俵に立っている小型モデルはMINIとフィアット500だけだ。とにかく欧州や(日本以外の)アジア市場を覆ったリッターカー・ビジネスは、フォルクスワーゲンという未知のモンスターを生んでしまった。リッターカーを鎮圧できなかった市場では地元の自動車産業が軒並み悲惨なことになっている。
UNCTADの出動!?
欧州では6000ユーロ(80万円)〜、インドや東南アジアではそれよりも安い価格(50万円くらい)で、ほぼ利益を生まない競争が市場を覆った結果、オペル、サーブ、プジョー、シトロエン、ルノー、フィアット、タタ、プロトンといったメーカーが相次いで苦境に追い込まれた。新陳代謝が遅くて全く絶望的だった欧州勢の衰退はともかく、タタやプロトンといった新興メーカーの旗色があっさり悪くなるのは、南北問題解決という世界的な取り組みに逆行している。スズキやダイハツはODAの理念のもとに現地資本の成長とともにアジア市場に参入しているけど、死神フォルクスワーゲン、フィアット、ルノーは欧州資本の破壊原理をそのまま持ち込んでいる。日本の資本が同じことをやったら欧州方面から袋叩きにされるだろうが・・・。
AJAJの失態によりVWの悪事が暴かれる
もし世界の他の地域と同様に、日本でも100万円を下回る価格のリッターカーのヒットが続いていたら、スバル、MAZDAはおそらく廃業。日産、HONDAも「ミニバンと軽自動車以外」は日本市場からの離脱を余儀なくされるだろう。ひと昔前のカーメディアはVWアップをあれほど黒船!!と言って持ち上げていたけども、今ではすっかりネタにすらしなくなった。フォルクスワーゲンから多額のアレをもらっているAJAJ会員は、バカの一つ覚えのように「ゴルフは世界のベンチマーク!!」「アップは黒船来航!!」と発言&書き立てていたが(おそらくVW側から協会に指定された「ワード」だったのだろう)、それ以外の「非AJAJ組」はフォルクスワーゲンの新世代モデルには否定的な意見が多かった(福野礼一郎はゴルフ7こそ絶賛したものの、その後にFMCしたUPやポロに関しては・・・・と発言している)。見事なまでに対比を描いて真っ二つになる異様な状況を考えても、AJAJに対する疑惑は否定できない。
美意識
カーメディアは放っておくとして、その時期以降のTOYOTAの戦略は、日本のユーザーの「美意識」の高さと見事にシンクロした。何より痛快だったのがカーメディアで連日のように宣伝されていたVWアップ、ルノー・トゥインゴ、ポロ、ルーテシア、208、C3、それからタイ生産のマーチとミラージュなどの「リッターカー」モデルが全然売れなかったこと!!「100万円以下で売るBセグでは国内生産は維持できない」というマインドがハッキリとブレーキを掛けた。不適切かもしれないが、無謀とはわかっていても大義がある「軍部」に同情的で、大東亜戦争にも協力した国民性の一端が発揮されている!? 一度はリッターカー/軽自動車ビジネスに大きく舵を切った日産やHONDAも市場の反発を察知、軌道修整してアクアを追従する「高機能Bセグ」を販売するようになった。
ダメなものはダメ
誤解しないで欲しいですけど、リッターカーの性能がダメってわけじゃないです。日本の自動車産業と親和性が低いってだけ。初期の「小排気量&DCT/AMT」の組み合わせはハッキリ言ってゴミでしかなかった。日本メーカーの評価水準では「欠陥商品」と言っていいくらい(HONDAフィットHVがDCTを採用してそう言われていた)。もちろん世界最高峰のジャトコ製CVTを使うミラージュやマーチは実力十分。まともに発進できるってだけでこのクラスでは十分にすごい。プジョーやシトロエンは絶望的な状況を打開するためにアイシンAWに頼った(AMTでは話にならない)。VWとルノーは何とかDCTを改良して対応している。それに対して酷いのがCセグだけど、メ○セデスの新型のアレ、エンジン(日産が開発)が小さくなったせいでまともに発進しないですから(ジャトコのCVTを搭載しろ!!)。
偽プレ市場
欧州、インド、中国、東南アジアはリッターカーによる「レッド市場」でメーカーが疲弊している(死んでいる)。そのちょっとだけ上の価格帯に「偽物のプレミアム」市場がある。今のメルセデスやBMWの収益源はそこだ。日本メーカーからこっそり盗んできたCセグシャシーを「プレミアム風味」に仕立てて売っている(日本でも堂々と売っているけど)。中国市場では200万円前後らしいので、特にボッタクリというわけでもない(日本でも未使用中古車が198万円とかで買える)。一人っ子政策時代にエリートの家に生まれた子供たちの消費力は日本の同年代を軽く上回るらしいが、彼らをターゲットにした「ライト・プレミアム」なコンセプトのCセグが売れているらしい。CセグのメルセデスやBMWは、そもそもオッサンが乗るクルマじゃない、日本のユーザーは恥を知れ・・・。
トヨタはなぜスポーツカーとクロカンを拡販できたのか!?
メルセデスやBMWが中国のリッチな若者によって成長を維持しているのに対して、トヨタもレクサスも同じような戦略は取らなかった。C-HRやレクサスUXなど一応そのニーズを拾うモデルは作っているものの、他のブランドが高価格なモデルの販売を減らしている中で、グローバルで拡販に成功したのが・・・86でありランクル/プラドですねー。バブル期に圧倒的な基幹技術を作り上げた日本メーカーは、グローバルでは隠れた収入源があって、あの三菱自動車が黒字を維持しているのは、日本ではほとんど目にしないトライトンという大ヒットモデルのおかげだったりする。トヨタのハイラックスやランクル、日産のフロンィア/ナバラ、MAZDAのBT-50など、ディーゼルユニットやAWD技術の水準の高さで世界をリードしている。
メルセデスとBMWはなぜダメになったか!?
AJAJ会員の合言葉は「日本はドイツに10年遅れている」なんだけども、この10年あまりのドイツってどーなんですかね!?アメリカ市場でも日本市場でももはや「戦力外」でしかない。高級ブランドの販売台数も、メルセデス、BMWが3万ドル程度のとことん安いモデルを投入しても、いよいよテスラとレクサスに太刀打ちできなくなってきている。ポルシェの一部のスポーツカーを除けば、高い付加価値を提供する力がどんどん失われている。全てドイツの国策と言われたらそれまでかもしれない。毎年メルケルは習近平を表敬訪問して中国市場との親和性を高める外交を行っているようだ・・・日本にはこないけど。
EUがメチャクチャなのは・・・
メルケル外交とセットで、世界中に「リッタかービジネス」と「偽プレミアム」をばら撒くだけの存在に成り下がったドイツ自動車産業。日本の主要メーカーのようにタフなクロスカントリーやピックアップもまともに作れないし、日産GT-Rのようなスーパースポーツもポルシェ以外には無理そうだ。そもそも自社でミッションも作らないし、AWD技術も確立できていないのだから、まともなものは作れない。ひたすらにリッターカーと偽プレを低コストで作り続け、世界中をレッドオーシャンに変え、ロンドン議会の大混乱も、パリで暴動も「移民政策(=労働者)」と「自動車行政」に対する過剰反応だと言える。EU内に大混乱を引き起こしている根っことなる「ドイツの国策産業」に・・・ヴィジョンなんてものがあるのだろうか!?
トヨタが凄い!?他がクソなだけ!?
ドイツメーカーが世界を「レッド」に染め上げたこの10年で、トヨタは86を作り今度はランクルがFMCをするらしい。日本メーカーが羨ましくてたまらないメルセデスは、2年前から日産のフロンティア/ナバラのOEM供給を受けて「X-CLASS」として販売している。ドイツメーカーに「参入」って考えを全く起こさせないくらいに日本メーカーのコストがぶっ飛んでいるってのもあるだろう。なんで専用設計シャシーのスポーツカーだったり、AWD車やディーゼル搭載車がたった300万円で売れるんだ!?ってのはある。トヨタやMAZDAが「日本生産維持」を掲げ、ドイツメーカーに対して現在のように参入障壁となるくらいの「技術格差」を維持している。これこそが日本の自動車産業の「生命線」だ!!・・・そんな当たり前の現実すら正直に書けない「中西孝樹」も「日経」も「東洋経済」も全部クソだと思う。
「三菱エクリプス・クロス 『偽物の時代は終わった!!』」
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